線維筋痛症の位置づけ

 線維筋痛症には炎症所見がありません。つまりCRPや赤沈には異常がありません。また、現時点では抗原抗体反応が起こっている事は示されていません。そのため線維筋痛症は膠原病でも、リウマチ性疾患でもありません。線維筋痛症は慢性痛です。なぞこのような事をいうのか。それは治療の違いです。膠原病やリウマチ性疾患であれば非ステロイド性抗炎症薬(ボルタレンやロキソニンなど)やステロイドが有効です。慢性痛には抗うつ薬、ノイロトロピン、ガバペン、リリカなどが有効です。線維筋痛症には非ステロイド性抗炎症薬やステロイドは通常、無効です。ステロイドは無効なばかりか副作用の頻度が多いため有害です。偽薬(効果も副作用も通常ない薬)とステロイドを二重盲検法(患者も医師も本物の薬か偽薬かわからない研究)で調べると、有意差はないがステロイドを使用した患者では治療成績が悪かったという報告があります。ステロイドが有効である別の病気を合併している場合にはステロイドが有効です。この場合、ステロイドは線維筋痛症に有効なのではなく、線維筋痛症とは異なる別の病気に有効なのです。
 線維筋痛症の原因は不明ですが脳の機能の何らかの異常であるという説が定説になっています。Central sensitivity syndrome(中枢性過敏症候群)という一群の疾患(症候群)があります。何らかの原因により脳にcentral sencitization(中枢神経の過敏化)がおこりそれにより発生した一群の疾患です。これにはうつ病、不安障害、線維筋痛症、慢性疲労症候群、むずむず脚症候群などが含まれます。その他にも多くの疾患が含まれます。Functional somatic syndrome(機能性身体身体症候群)という用語が用いられています。機能性身体身体症候群に含まれる病気と中枢性過敏症候群に含まれる疾患はほぼ同じです。機能性身体身体症候群は検査で異常がないにもかかわらず、様々な症状を呈する疾患を意味します。この名称はなんとなく、症状は気のせいであるという考えを連想させてしまいます。疾患の原因の観点から中枢性過敏症候群の方が望ましい名称であると思います。線維筋痛症は中枢性過敏症候群の典型的な疾患なのです。

 現時点では線維筋痛症に関する本の中で世界標準の線維筋痛症の記載が最も多い本は「線維筋痛症がわかる本」(主婦の友社)と思います。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-26 19:40 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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