当初から複数の薬物を処方してはいけない

 医学の世界では薬物治療を行う際には当初から複数の薬物を使用せず、一つの薬物のみを処方し必要があれば追加を行うことが原則です。これは痛みの業界のみならずほとんどすべての診療科で該当します。抗がん剤など、当初から複数の薬物を使用する場合はありますが、それは例外です。
 国際疼痛学会は神経障害性疼痛に対する治療のガイドラインで「一つのみの薬物を当初は使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば追加をする。」と述べています。線維筋痛症は神経障害性疼痛に含まれます。そのガイドラインは実は三叉神経痛や線維筋痛症を除外した神経障害性疼痛のガイドラインです。そのガイドラインには各薬物の有効性にランクをつけています。そのガイドラインに記載されている各薬物の有効性のランクは三叉神経痛や線維筋痛症においては有効ではありません。しかし、「一つのみの薬物を当初は使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば追加をする。」は三叉神経痛や線維筋痛症にも当てはまると考えています。
 当初から複数の薬物を投与すると多くの問題が起こります。最大の問題点はどの薬物が有効で、どの薬物が無効かわからなくなることです。有効な薬物は増量すべきなのですがそれが非常に困難になります。無効な薬物を漫然と半年以上投与することにつながりやすくなります。薬物を併用すると鎮痛効果が強くなることがありますが、鎮痛効果が弱くなることもあります。当初から複数の薬物を投与したのではそれが不明瞭になります。副作用が生じた場合には、原因となる薬物を特定することが非常に困難です。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-26 21:11 | FMの薬物治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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