なぜ線維筋痛症は日本では認められないのか

 人間は、自分に不都合なことは認めないという習性があります。「神国日本が鬼X米英に負けるはずがない。」、「原子力発電所が地震や津波で破壊されるはずがない。」などがそれに該当すると思います。線維筋痛症を認めない医師は「心が弱い」、「気にしすぎ」、「気のせい」、「線維筋痛症と診断することは逃げである」、「精神がおかしい」、「支払いはいらないから、二度と来ないでほしい。」などと診断あるいは発言することがあります。その場合、自分自身がしてきたことを懺悔する必要があります。またNSAIDsを処方して効かなければ精神科へ紹介すればよかったのですが、線維筋痛症を認めると新たな勉強をする必要があります。
 つまり、歳をとるほど、医師として出世するほど線維筋痛症を認めることが困難になります。
 2011年8月6日にNHKが特集を放送しました。陸軍特殊情報部はテニアン島に12,13機の爆撃機の部隊があり、特殊な任務についていることを知っていました。原爆を広島に投下したB29 がテニアン島から飛んだことをつかみました。陸軍特殊情報部(の人)はそれをつかんだことにより表彰されました。そしてテニアン島から新たにB29が飛んだことを8月9日長崎に原爆が投下される5時間前に知っていました。すなわち原爆が再び投下される可能性が高いことを陸軍特殊情報部は知っていました。それは陸軍上層部に伝えられました。しかし、防衛部隊(紫電改の部隊)には出撃命令が出ませんでした。原爆が搭載された可能性の高いB29であれば、全機が体当たりをしてでもそのB29を撃ち落としたと思います。陸軍上層部は防衛部隊にそれを伝えませんでした。「・・・・のはずはない。」と考えたのでしょうか。これほど重要な情報は最優先で届くと思うのですが。
 今回の地震、津波は想定外であったという者がいます。しかし、今回の地震の大きさは今世紀で起こった地震の中で最大ではありません。貞観地震では内陸部まで津波が届いています。原発が安全といった者はそれらを意図的に無視していました。
 人間は自分に都合の悪いことは、認めたがりません。あるいは軽く考えたがります。線維筋痛症を認めない医師は陸軍上層部や原発は絶対に安全と言った者に思えてなりません。
 ただし、これは日本人にのみ該当するわけではありません。外国でも同じはずです。その理由を私は次の様に考えています。
1:日本語という言語の問題
 先進国の母国語は英語あるいは英語に類似の西ヨーロッパの言語です。そのため世界医学の共通言語である英語論文が出ると多くの医師が英語論文を読みます。しかし、日本人医師は英語論文をあまり読みません。Pubmedという医師であれば誰でも知っている英語論文のサイトがあります。そこにfibromyalgiaと入れると途方もない数の英語論文が見つかります。しかもPain、New England Journal of Medicine、JAMAなどの一流英語雑誌にごく普通に線維筋痛症の論文が掲載されています。「線維筋痛症は存在そのものが怪しい」と思っている人はぜひそれらの論文を読むべきです。線維筋痛症の英語論文を書いている日本人以外の先進国の多くの医師はばか者なのでしょうか。Pain、New England Journal of Medicine、JAMAなどの一流英語雑誌は馬鹿たれが書いた雑誌なのでしょうか。
2:先輩を批判できない日本の医学界
 日本の医師の世界では先輩を批判することはご法度です。少なくともアメリカでは先輩に対する批判が日本よりは自由に出来ます。ノーベル賞を受賞した学者の講演を、聴衆(大学生を含む)が評価しています。線維筋痛症は高齢者の医師ほど認めたがりません。そのため日本では線維筋痛症が認められにくいと思います。
3:日本の医療制度の問題
 日本の医療費は安すぎます。そして国民皆保険です。崩れかけてはいますが国民皆保険です。人口が5000万人以上の国では私が知る限り、最も優れた医療制度です。3時間待ちの3分診療ではないかという不満をお持ちの方、5000万人以上の国で日本より優れた医療制度を持った国があればお知らせ下さい。私は日本とアメリカの医療制度しか知りません。日本では3時間3分で診療が終了します。しかも日本のすべての医療機関を受診できます。アメリカでは医療機関の予約を取ることが困難です。アメリカでは大きく分けてHMOとPPOの二つの保険制度があります。HMOでは救急など特別の理由がない限り、指定された医師の紹介状がない限り他の医療機関を受診できません。PPOではそのグループと契約している医師を自由に受診できます。HMOではまず指定された医師を受診する必要がありますが、1週間以上かかることもあります。紹介状を書いてもらってもすぐには次の医師を受診できません。PPOではこれよりは早く受診できますが、それでも1週間以上かかることもあります。その代わり待ち時間は日本ほどではありません。診察時間も長めです。待ち時間を30分、診察時間を30分としましょう。日本では3時間3分で診察が終了ですが、アメリカでは1週間と1時間かかります。
 日本の医療費は安いのです。そのため、大勢の患者が医療機関に押し寄せます。そして薄利多診察をしないと医療機関はつぶれます。
 線維筋痛症の診察には時間がかかります。日本の医療制度では医療機関は赤字になることがあります。同じ時間で多数の患者を診察した方が儲かるのです。医療で儲けを論じることは日本ではタブーとされています。しかし、口に出すかどうかは別として、儲けを度外視して医療は成立しません。特に開業医はそれに敏感です。日本の制度では、線維筋痛症の診療をすると赤字になりやすいのです。
 ではどのようにして線維筋痛症において医療機関は儲けを出すのでしょうか。一つの方法は自費診療です。もう一つは過剰な検査です。
 日本の医療制度では、線維筋痛症を診療すると赤字になりやすいのです。国家の財政が破綻しそうな状況では、これを解決することは困難です。

 
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by fibromyalgia11 | 2011-06-29 19:00 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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