ペインビジョンの痛み度が低くても痛みが強いことがある

戸田克広:線維筋痛症を含むchronic widespread painおよびchronic regional pain患者における痛み度を含む評価指標の相関—PainVision™による痛み度の有用性と限界— 整形・災 54(6) 731-737, 2011

 Chronic widespread pain 患者21人(線維筋痛症患者は13人)とchronic regional pain患者3人において痛み度を含む様々な評価尺度を同一日に測定し、それらのすべての組み合わせのスピアマン順位相関係数を算出すると、平均値はFIQ、SF-MPQのtotal pain rating index、SF-MPQのevaluative overall intensity of total pain experience、face scale、VAS、g-VAS、SDS、PainVision™による痛み度、対照点の数、圧痛点の数の順であった。痛み度が小さい場合には、疼痛が軽い場合と疼痛が強い場合が混在している。痛み度のみで個人の疼痛を評価することは困難であり、他の指標を総合して判断すべきである。

 痛み度は痛みを客観的に評価していると考える者がいるが、実は痛み度には主観的な評価が含まれている。山田さんは痛み度が少ないからあまり痛くないと言う評価が実際に行われている。前述したように痛み度のみでは痛みを評価できず、VASなど他の指標も考慮して痛みの程度を推定する必要がある。それでは今までの痛みの評価方法と同じである。「田中さんの痛み度は40なのであまり痛くない。」とは言えず、「加藤さんの痛み度は30であり、藤原さんの痛み度は80なので、藤原さんの痛みの方が強い。」とも言えない。同一人物において痛み度80は痛み度40の2倍の痛みかどうかはわかっていない。ただし、恐らく同一人物においては痛み度80は痛み度40よりは痛いであろうことが推測される。そのため、同一人物の痛みの経過を測定する目的では使用可能かもしれない。
 痛み度は個人の痛みの測定ではなくグループ同士の痛みの比較には使用可能かもしれない。疾患Aの患者さん100人と疾患Bの患者さん100人の痛み度を比較すると、疾患Aと疾患Bのどちらが痛いかがわかるかもしれない。また、疾患Cの患者さん100人の治療前後の痛み度を比較すれば疾患Cに対するその治療方法の有効性を示すことができるかもしれない。
 痛み度のみでは個人の痛みを正しく示すことができないが、一部でそれが行われている。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-16 20:31 | FMの検査
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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