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線維筋痛症の治療の中心は神経障害性疼痛の治療

 世界標準の線維筋痛症は中枢性過敏症候群(central sensitivity syndrome:CSS)に含まれています。つまり、神経障害性疼痛に含まれています。神経障害性疼痛は一般的には末梢性神経障害性疼痛と中枢性神経障害性疼痛に分類されています。CSSには中枢性神経障害性疼痛、うつ病、不安障害などが含まれています。
 原因が末梢神経にある疼痛が末梢性神経障害性疼痛であり、疼痛の原因が末梢神経と中枢神経(脊髄と脳)にある疼痛が中枢性神経障害性疼痛です。末梢性神経障害性疼痛と中枢性神経障害性疼痛の治療は厳密には異なりますが、ほぼ同じです。
 私が知る限り有効な治療方法が最も多い神経障害性疼痛の一つが線維筋痛症です。グレーゾーンまで含めると有病率が人口の約20%、治療方法の多さ、症状の多彩さの点で線維筋痛症は神経障害性疼痛の中心的疾患です。世界標準の医学では神経障害性疼痛には神経障害性疼痛の治療が行われます。線維筋痛症は神経障害性疼痛の中心的疾患ですので当然といえば当然です。
 しかし、日本ではリウマチや膠原病を専門にする医師が線維筋痛症を治療することが多いためリウマチや膠原病的な治療が行われることが多いのです。すなわちステロイドが頻繁に使用されます。また、線維筋痛症を述べる際、中枢性過敏症候群が語られることがほとんどなく、リウマチや膠原病との合併が頻繁に述べられます。
 今までは日本は線維筋痛症を取り入れていなかったため、世界から後ろ指を指されていました。今後、日本に線維筋痛症が取り入れられる際に、リウマチ的な線維筋痛症や膠原病的な線維筋痛症が取り入れられたのでは再び世界から後ろ指を差されてしまいます。

by fibromyalgia11 | 2011-07-23 22:45 | FMの治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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