線維筋痛症には抗不安薬は無効

Russell IJ, Fletcher EM, Michalek JE, et al: Treatment of primary fibrositis/fibromyalgia syndrome with ibuprofen and alprazolam. A double-blind, placebo-controlled study. Arthritis Rheum 34: 552-560, 1991
偽薬二つ併用群、偽薬とイブプロフェン併用群、偽薬とアルプラゾラム(ソラナックス®)併用群、イブプロフェンとアルプラゾラムの併用群の4群。Tender point index(16か所の圧痛点に圧痛の程度を掛け合わせた指数) で評価(この指標は圧痛の程度を示す,つまり刺激を加えたことにより引き起こされた疼痛を示す)。偽薬二つ群、偽薬とイブプロフェン群、偽薬とアルプラゾラム群、イブプロフェンとアルプラゾラム群の4群。偽薬とイブプロフェン群、偽薬とアルプラゾラム群、イブプロフェンとアルプラゾラム群の3群は有意にTender point indexを改善。しかし、偽薬二つ併用群も有意にTender point indexを改善。これらの3群は偽薬二つ群とは有意差なし。二重盲検法が終了した後にイブプロフェンとアルプラゾラムの併用を対照群なしで使用するとTender point indexはさらに低下。

 この論文は二重盲検法であり、偽薬とアルプラゾラム(ソラナックス®)併用群は有意にTender point indexを改善しています。しかし、偽薬二つ併用群でも有意にTender point indexを改善しています。さらに偽薬二つ併用群での変化量は他の3群の変化量と比べて有意差はありません。

 偽薬とアルプラゾラム(ソラナックス®)併用群は有意にTender point indexを改善している点のみを取り上げて「アルプラゾラム(ソラナックス®)は二重盲検法で線維痛症に有効。」と解釈してそれが引用されている場合もあります。しかし、偽薬二つ併用群でも有意にTender point indexを改善しており、偽薬二つ併用群での変化量は他の3群の変化量と比べて有意差はありません。そのため、この論文は「二重盲検法ではアルプラゾラム(ソラナックス®)は線維痛症に有効とは言えない。」と解釈すべきです。
 二重盲検法が終了した後にイブプロフェンとアルプラゾラムの併用を対照群なしで使用するとTender point indexはさらに低下しています。この研究は二重盲検法でありません。また、イブプロフェンとアルプラゾラムを併用しているため、この研究では「アルプラゾラムは線維筋痛症に有効」とは言えません。

 この論文では患者数も少なく、この論文を根拠に「抗不安薬は線維筋痛症に有効」と主張することには無理があります。
 
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by fibromyalgia11 | 2011-08-02 22:09 | FMの薬物治療各論
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