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線維筋痛症に入る前の臨床経験の一部は有害である

 日本では学生時代から線維筋痛症を習い、適切な治療方法を教科書で勉強し、線維筋痛症を治療している医師は現時点では一人もいません。現在、線維筋痛症の治療を行っていいる医師は、医師になって10年以上経過して線維筋痛症に出会いました。そのため、それまで行っていた経験を線維筋痛症の治療に持ち込みがちです。線維筋痛症の治療に有用な経験もありますが、有害な経験もあります。線維筋痛症を認めない医師は別として、線維筋痛症を認めて線維筋痛症の治療を行う場合に起こりやすい癖を記載します。

精神科・心療内科:痛みはうつの結果であると見なしがちです。そのため、SSRIという抗うつ薬を使用しがちです。SSRIは線維筋痛症にはあまり有効ではありません。抗不安薬を頻繁に長期使用します。抗不安薬の長期使用は依存を引き起こしやすく、危険です。

整形外科・リウマチ科:NSAIDやステロイドを使用しがちです。炎症を合併していない限り、線維筋痛症にはステロイドは有害無益です。

ペインクリニック:神経ブロックをしがちです。線維筋痛症には神経ブロックは無効です。神経ブロックには人生を台無しにしてしまう重篤な副作用があるため、線維筋痛症にすべきではありません。

 私は複合性局所疼痛症候群(CRPS)から線維筋痛症に入りました。初期のCRPSにはステロイドが有効ですが、それは自重しました。CRPSに有効な局所静脈内ブロック、交感神経ブロック、脊髄電気刺激、大脳の運動野の電気刺激は線維筋痛症には無効です。CRPSに有効な薬や個々の薬の使用方法(上限量を使用せず無効と見なさないなど)の知識は線維筋痛症の治療に非常に役立ちました。

by fibromyalgia11 | 2011-08-05 18:40 | FMの治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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