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医学理論より治療成績が優先

 異なる医学理論が衝突することがあります。最近の衝突は、傷は消毒すべきか、傷は乾燥させるべきか、という医学理論の衝突です。明治時代には脚気論争がありました。脚気は脚気きんにより起こるのか、栄養障害におこるのかという論争です。現在ではビタミンB1の欠乏により起こることが判明しています。
 脚気論争はhttp://ir.jikei.ac.jp/bitstream/10328/3428/3/TK_igaku_372.pdfに記載されています。麦飯と洋食により海軍では脚気は激減しました。しかし、脚気は栄養障害で起こるはずはないという医学理論を信じ、食事を変更しなかった人々がいます。日露戦争での脚気による死亡者、戦闘不能者は膨大な数でした。脚気の発生を抑えられれば、日露戦争(特に陸軍の戦い)はもっと有利になったであろうと考えています。
 異なる医学理論が衝突した場合には治療成績がよい医学理論を採用すべきです。千歩譲っても、治療成績がよい治療方法を選択すべきです。線維筋痛症を認めようとはしない医師は少なくありません。線維筋痛症と診断された人には現時点の医学レベルでは線維筋痛症の治療を行うことにより最もよい治療成績を得ることができます。しかし、「他覚症状が圧痛以外はない疾患を疾患として認めるべきではない」という医学理論を信じ、それを治療成績より優先させる医師は少なくありません。その人々は脚気論争の際、自分の信じる医学理論により兵員食を変えなかった医師に類似していると考えています。

by fibromyalgia11 | 2011-09-05 22:31 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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