抗うつ薬の副作用としての自殺、殺人

 線維筋痛症患者さんは時々自殺します。様々な原因が考えられます。①痛みに耐えかねて②将来を悲観して③うつ病に罹患して④抗うつ薬の副作用のため。
 抗うつ薬は全体としては自殺を減らします。しかし、一部の患者では抗うつ薬(特にSSRI)は自殺や他殺(殺人)を引き起こします。SSRIは未成年の自殺を引き起こすことがあるとして未成年への投与は専門家のみが行うように勧告されています。専門家とは通常、精神科医を意味します。当然私はこの専門家には含まれていません。ただし、SSRIは中年でも自殺や殺人を引き起こすと推測されます。45歳男性にSSRIを投与したところ強烈な自殺念慮と他殺念慮(殺人願望)が出た経験があります。全体としてはSSRIは自殺を減らすと推測していますが、一部の患者さんでは副作用で自殺や、殺人を引き起こすと思われます。それは若年者で起こりやすいのですが中年でも起こりえると思います。私の患者さんの場合には自殺も殺人も実行されませんでした。少量から開始してもそれはおこるため、それを防ぐ方法はありません。私の患者さんの場合、たまたま運がよく自殺や殺人が実行されませんでした。
 SSRIの鎮痛効果は弱いため私はほとんど痛み止めとしては使用しません。しかし、不安障害を合併している患者さんでは頻繁に使用しています。この患者さんでもそうでした。

 戸田克広:三環系抗うつ薬により弱い自殺念慮が選択的セロトニン再取り込み阻害薬により強い自殺念慮と他殺念慮が生じた成人慢性広範痛症の1例. 最新精神医学 16 (2). 205-208. 2011
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by fibromyalgia11 | 2011-09-18 00:46 | FMの薬物治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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