薬物治療は対症療法という偏見

 治療を対症療法と根本療法に分ける人がいます。この分類には大いなる危険性があります。骨折が起こり痛い場合、骨折を手術で固定したりギプスで固定して痛みを軽減することが根本治療で、痛み止めを用いて痛みを軽減することが対症療法という分類です。骨折の場合には問題はありません。
 しかし、線維筋痛症などの神経障害性疼痛の治療を根本療法と対症療法に分けることは危険です。危険というより不可能です。薬物治療は対症療法と軽く考える患者さんが少なくありません。「薬物治療は対症療法だから根本療法を受けたい。」という患者さんがいます。
 線維筋痛症などの神経障害性疼痛において骨折に対する手術のような根本療法は存在しません。薬物治療は対症療法であると共に根本療法です。線維筋痛症の場合にはどのような治療、薬物でも構いません、痛みがない状態を1年近く持続させれば、治癒(治療を中止しても痛みがぶり返さない状態)する可能性があります。大変残念ですが線維筋痛症の場合、治癒する人は1割前後であり、多くの人は治癒しません。
 理由はわかりませんが、どのような薬であれ痛みがないかほとんどない状態を1年近く続ければ治癒する可能性があります。
うつ病の際、抗鬱薬を対症療法と見なす人は少数と思います。軽症の鬱には抗鬱薬は偽薬と同程度の効果しかありません。つまり、無効です。この問題は別ですが、うつ病の際には抗鬱薬は対症療法とは見なされませんが、線維筋痛症などの神経障害性疼痛では対症療法と見なされがちです。これはおかしなことと思います。線維筋痛症などの神経障害性疼痛では抗鬱薬以外の薬も有効です。
 少なくとも薬物治療の有効性の科学的根拠は、マッサージ、鍼などの科学的根拠より遥かに高いのです。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-08 00:16 | FMの薬物治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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