各診療科医師と線維筋痛症

 各診療科の医師が線維筋痛症を治療する際に有利、不利があります。

整形外科
 線維筋痛症やそのグレーゾーンの患者さんが最も受診する機会が多い診療科です。しかし、線維筋痛症を最も敵視している診療科です。
 線維筋痛症と鑑別すべき疾患である関節リウマチに関する知識がある点が長所です。腰痛を引き起こす脊椎疾患に関する知識がある点も長所です。しかし、通常の業務は視診、レントゲン、MRIなどにより行われているため、目に見えない異常は精神疾患であると考え安い点が短所です。抗うつ薬の使用方法あまり知らない点も欠点です。特に、勤務医の場合には手術適応がない疾患には関心がない医師が多いことも欠点です。

精神科
 従来、心因性疼痛や身体表現性障害、仮面うつ病と診断した場合には精神科に紹介されていました。
 抗うつ薬の使用方法に精通していることが長所です。線維筋痛症やそのグレーゾーンの患者さんは精神疾患をしばしば合併していますが、精神疾患の治療には最も精通しています。抗精神病薬の使用法に関する知識は他の診療科の追随を許しません。しかし、痛みはうつ病の一症状であるという医学理論や身体表現性障害(身体化障害、疼痛性障害)を信じ続けるとうつ病の治療を線維筋痛症に持ち込んでしまい治療性成績がいつまでも向上しません。

ペインクリニック
 痛みの専門家です。
 神経障害性疼痛の治療に精通しています。どの薬物が経障害性疼痛に有効であるのかは当然よく知っていますが、具体的な使用方法を正しく理解していない場合があります。その場合2,3種類の薬を当初から同時に使用します。神経ブロックの技術は他の追随を許しませんが、線維筋痛症にもしばしば神経ブロックを持ち込んでしまうことが欠点です。

リウマチ科(内科系)
 線維筋痛症と鑑別すべき膠原病に精通しています。
 線維筋痛症と鑑別すべき膠原病に精通しており、それらの鑑別を適切に行うことが長所です。膠原病を合併している際の治療に精通している点も長所です。しかし、線維筋痛症を膠原病の一疾患と見なして、膠原病の治療をおこないやすいことは欠点です。

内科
 医師数が多く、医療業界の中心です。
 全身管理ができることが長所です。線維筋痛症患者が内科疾患を合併している場合にはその治療ができることが長所です。うつ病の治療もある程度可能なことも長所です。しかし、神経障害性疼痛の治療には精通していないことが欠点です。

慢性痛科
 痛みを専門にするが、手術やブロックをしない(できない)診療科です。私はここに含まれます。
 線維筋痛症を中心にした中枢性過敏症候群を診療の中心にしているため、最も線維筋痛症を適切に治療します。ただし、この診療科は日本には存在しません。私が個人的に創作した診療科です。日本には存在しない診療科ですが、この診療科が必要と考えています。

 精神科とペインクリニックの医師は線維筋痛症を認めるとすぐに正しい治療が可能です。ただし、医師数が少ないこと、精神科は精神疾患の治療のみで手一杯の現状、ペインクリニックは麻酔科と兼務する場合が多く忙しすぎるため神経ブロックの対象になる患者さんの治療で手一杯の現状が問題です。正しい治療を行うためには前述した悪い癖(線維筋痛症を治療する際には悪い癖)を捨てる必要があります。
 整形外科と内科は医師数が多いことが特徴です。線維筋痛症を認めるのみでは適切な治療はできません。神経障害性疼痛の治療を勉強する必要があります。しかし、それは逆に変な癖がついていない場合には正しく線維筋痛症の治療を実行できることを意味します。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-08 20:55 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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