患者数の制限

 線維筋痛症の治療を行っている医療機関のいくつかでは診察の質を保つため患者数の制限をしています。特に大都市の医療機関でそれは行われています。それはやむをえないことです。
 最も一般的な方法は新患患者が申し込んで初診できるまでの期間の延長です。大都会から患者さんが受診されることがあります。その人たちの話では##先生は3か月待ち、@@先生では初診の予約がとれない、という話を聞きます。
 私が患者数の制限目的に行っている方法は受診間隔の延長です。患者さん自身がこれ以上の治療は希望しない場合、つまり薬を全く変更しない場合には、受診間隔を1-4か月にしています。この間隔は患者さん自身に選んでいただいています。これは狭い意味での患者数の制限ではありませんが、広い意味での患者数の制限です。
 薬が一定になるまでは通常は2週間間隔で通院してもらっています。それができない場合には4週間間隔で通院してもらっています。4週間ごとの通院ができない場合には責任が持てないため治療を断っています。症状が重篤あるいは不安定な場合には1週間ごとの通院です。

 私が現在勤務している医療機関は、公共交通機関の便が悪いのです。自動車で通院する人には便利なのですが、公共交通機関の便が悪いのです。これが結果的に患者数の制限につながっています。また、私が現在勤務している医療機関は地域の人たちにはリハビリと緩和の病院と認識されています。腰が痛いから目の前の病院に行ってみようという患者さんはほとんどいません。
 もう一つの方法は、患者さんや私自身に不都合な事実を正確に伝えることです。
1:治療してもよくならない患者さんもいます。自分の治療成績を公開しています。
2:薬物治療により死亡する確率がごくわずかですが増えます。
3:転倒して骨折したり、脊髄損傷になると、薬を中止してもそれがたちどころに治ることはありません。
4:喫煙を継続すると私の力では症状がよくなる可能性は非常に低くなります。
5:線線維筋痛症ではないが線維筋痛症に類似した状態では線維筋痛症と同じ治療を行うことを記載した書類を読んでいただいています。その書類には線維筋痛症の治療成績なども記載されています。線維筋痛症そのものの説明はその書類に記載していますので、口頭ではほとんど行っていません。線維筋痛症ではない場合には、線維筋痛症ではないと伝えています。診断だけを希望される場合には、それで終了です。治療を希望される場合には治療を行っています。治療を希望しない患者さんを説得して治療を受けていただくことはしていません。
6:抗不安薬の長期使用によっておこる忌まわしい副作用を説明しています。自著「線維筋痛症がわかる本」で赤裸々に記載していますので、それは隠しようがありません。
 減量の過程で挫折する人は少なくありません。「認知症になってもやむをえない、死亡率が高くなってもやむをえない、抗不安薬の減量はあきらめます。」と宣言する人には抗不安薬の減量は中止します。しかし、抗不安薬を継続したいために通院そのものを中止する患者さんはいるかもしれません。「抗不安薬の減量はあきらめます。」と宣言するか通院を中止するかは患者さんの判断です。

 これらの説明は患者数を減らす目的で行っているわけではありません。患者さんに隠し事をせず、正直であることが私の方針です。患者さんに正直であることは非常に難しいことです。患者さんには医師を選ぶ権利があります。私の実力をありのままに伝えて、私を選んでいただければ治療いたします。私にとっても不都合なことも隠し事はしないため、気が楽です。私が処方している薬の副作用をどこで受けても問題はありません。死亡することすらあると説明しているのですから。
 この説明は患者数を減らすことを目的にはしていません。しかし、結果的には患者数を減らしています。特に線維筋痛症ではない場合には、再診する患者さんは恐らく約半数です。もちろんこの中には当初から初診のみを目的にした受診も含まれています。
 2011年12月の時点で初診患者さんの待ち期間は1週間前後です。週2日(月、木)の外来です。1時間あたり6人を診察することはほとんどありません。私が勤務する医療機関は予約制を採用していますが、予約時間をほぼ守ることができています。
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by fibromyalgia11 | 2011-12-23 00:27 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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