アセトアミノフェンは胎児の発達障害や注意欠陥・多動性障害の危険因子


自閉症、コミュニケーション能力
 方法:出生前のparacetamol(acetaminophen) 暴露と ASDの関連を調べるために、人口で重み付けをした自閉症の平均有病率とparacetamolの使用率を比較した。早期新生児のparacetamol暴露とautism/ASDの関連を調べるために, 人口で重み付けをした利用可能な全ての国とアメリカの州の男性の自閉症の平均有病率を男性の割礼率と比較した--1990年代半ばからは割礼中にはparacetamolが広く用いられるようになった.アメリカのCenters for Disease Control and Prevention のAutism/ASD有病率研究のまとめのデータベースから有病率を抽出。母親のMaternal paracetamol 使用率と割礼率はPubMedにより調べた。結果:1984年から2005年までの国レベルのデータ(n = 8)を用いると, 出生前のparacetamol使用は 自閉症/自閉症スペクトラム障害(autism/ASD)の有病率に関連する (r = 0.80)。国レベルの (n = 9)男性の autism/ASDの有病率と国の割礼の割合には強い関連がある (r = 0.98)。同様の強いパターンがアメリカの州の間やアメリカの3つの主な人種/民族群を比較した際にも見られる。男性におけるautism/ASDの有病率とparacetamolの国レベルの関連は割礼中に薬が広く用いられるようになった 1995年以前はかなり弱くなる。
Bauer AZ, Kriebel D: Prenatal and perinatal analgesic exposure and autism: an ecological link. Environ Health. 12: 41, 2013.

 方法:1999年と2008年の間のノルウェーの全妊娠女性を前向きNorwegian Mother and Child Cohort Studyに含める。母親はparacetamol を使用したかどうかを妊娠17週と30週および分娩後6か月で報告するように依頼された。2011年5月までに3年間の経過観察をした母親の子供48 631人のデータを用いた。家族や遺伝的な要因で補正した2919人の同性の兄弟のペアのデータを用いた。熱性疾患, 感染症および妊娠中の併用薬を含む多くの要因で補正して一般化線形回帰を用いて、胎児期にparacetamolに暴露されたことに基づいて精神運動発達(コミュニケーション, 微細なおよび粗大な運動発達),外面化および内面化行動問題, および気質 (情動性, 活動性, 社交性および内気)のモデルを作る。結果:兄弟を対象にした解析によると28日を超えて胎児期に paracetamol に暴露された子供は3歳時での粗大運動の発達 [β 0.24, 95% confidence interval (CI) 0.12-0.51], コミニュケーション (β 0.20, 95% CI 0.01-0.39), 外面化行動 (β 0.28, 95% CI 0.15-0.42), 内面化行動(β 0.14, 95% CI 0.01-0.28), および高い活動レベル (β 0.24, 95% CI 0.11-0.38)が悪い。胎児期に短期間(1-27日)paracetamolにさらされた子供も粗大運動の結果が悪いが(β 0.10, 95% CI 0.02-0.19), その影響は長期使用よりも少ない。Ibuprofenへの暴露は神経発達の結果には関連せず。まとめ:妊娠中にparacetamolの長期間暴露された子供は3歳時での発達がかなり悪い。
Brandlistuen RE, Ystrom E, Nulman I, Koren G, Nordeng H: Prenatal paracetamol exposure and child neurodevelopment: a sibling-controlled cohort study. Int J Epidemiol. 42: 1702-1713, 2013.
 ビタミンD欠乏の妊婦や幼児において酸化ストレスが自閉症スペクトラム障害を引き起こし、アセトアミノフェンが酸化ストレスを引き起こすという説。
Cannell JJ: Paracetamol, oxidative stress, vitamin D and autism spectrum disorders.
Int J Epidemiol. 2014 Jun;43(3):974-5.
注意欠陥/多動性障害(ADHD)
 1996年から2002年までthe Danish National Birth Cohortに登録された64 322人の生誕した子供と母親. 妊娠中のAcetaminophen使用は前向きで3つのコンピューター支援インタビューで妊娠中と出生後6か月で評価。以下の情報を用いた(1) the Strengths and Difficulties Questionnaireを用いて7歳時での問題行動に関する親の報告; (2)2011年以前のthe Danish National Hospital Registry 又はthe Danish Psychiatric Central Registryからの多動障害(hyperkinetic disorders:HKDs)の診断を検索する; そして(3) the Danish Prescription Registryからの子供のADHD処方(主にリタリン)を確認する. 親がacetaminophen に暴露された子供におけるHKDの診断を受けるあるいは ADHDの投薬を受けるhazard ratiosを計算。結果:妊娠中に半数以上の母親がacetaminophenを使用と報告。妊娠中に母親がacetaminophenを使用していた子供は病院でHKDの診断を受ける危険性が高く (hazard ratio = 1.37; 95% CI, 1.19-1.59), ADHDの投薬を受ける危険性が高く (hazard ratio = 1.29; 95% CI, 1.15-1.44), または7歳時にADHD様の行動をとる危険性が高い(risk ratio = 1.13; 95% CI, 1.01-1.27).妊娠中の一つのtrimesterを超える使用では強い関連が認められ,そして妊娠中のacetaminophen使用の頻度が増えるにつれ暴露への反応が見られる (例えばHKDの診断, ADHDの薬の使用, およびADHD様の行動; P trend < .001)。結果は母親の炎症, 妊娠中の感染, 母親の精神的な健康障害あるいは我々が評価した可能性のある交絡因子には影響されないようだ。
Liew Z, Ritz B, Rebordosa C, Lee PC, Olsen J: Acetaminophen Use During Pregnancy, Behavioral Problems, and Hyperkinetic Disorders. JAMA Pediatr. 168: 313-320, 2014.

方法:参加者は the Auckland Birthweight Collaborative Studyのメンバーであり,在胎期間に比べて不釣り合いに小さいEuropean 系統の871人の0歳児の縦断研究7歳時の親の報告と11歳時の親と子供の報告で測定した行動上の困難さおよびADHD 症状と関連して、使用した妊娠中の薬 (acetaminophen, aspirin, 制酸剤、および抗生物質) を解析. 解析は、出生時体重、社会経済的状態、出産前に母親が認知したストレスを含むmultiple covariates を含む。結果:Acetaminophenは研究対象の母親の49.8%が妊娠中に使用。 もしacetaminophenを妊娠中に使用すると、総困難点数は有意に高い(7歳時の親の報告と11歳時の子供の報告のStrengths and Difficulty Questionnaire)が, 他のいかなる薬とも有意な関連はない. 妊娠中にacetaminophenを使用した母親の子供も7歳時と11歳時のADHDの危険性が高まる (Conners' Parent Rating Scale-Revised).まとめ:妊娠中のacetaminophen投与はADHD様の行動の危険性を増加させる。
PLoS One. 2014 Sep 24;9(9):e108210. doi: 10.1371/journal.pone.0108210. eCollection 2014.
Associations between Acetaminophen Use during Pregnancy and ADHD Symptoms Measured at Ages 7 and 11 Years.
Thompson JM1, Waldie KE2, Wall CR3, Murphy R4, Mitchell EA1; the ABC study group.
•1Department of Paediatrics, The University of Auckland, Auckland, New Zealand.
•2School of Psychology, The University of Auckland, Auckland, New Zealand.
•3Discipline of Nutrition, The University of Auckland, Auckland, New Zealand.
•4Department of Medicine, The University of Auckland, Auckland New Zealand.

 妊娠中にアセトアミノフェンを飲む妊婦はそうでない妊婦よりも不健康なのであることが原因で胎児が発達障害やADHDになりやすいという考えは正しくありません。そのような要因は排除された論文です。特にBrandlistuenらの報告は同一の母親から生まれた兄弟間での比較です。アセトアミノフェンの妊婦への危険性を認めざるを得ません。
代替薬がないため深刻な問題です。アセトアミノフェン(カロナール)は解熱薬と使用される場合と鎮痛薬として使用される場合があります。私は痛みを専門にしています。後者の使用の場合について話をします。アセトアミノフェン(カロナール)は侵害受容性疼痛の治療薬です。通常神経障害性疼痛には無効です。神経障害性疼痛の場合には、私であればノイロトロピンをまず使用します。ノイロトロピンには妊婦に対する安全性は確認されていません。もしかしたら将来、妊婦に有害であることは判明するかもしれません。しかし、妊娠中にもかかわらず痛みが強く薬が必要であり、その痛みが神経障害性疼痛と推定される場合には、やむを得ません、ノイロトロピンを使用します。他に安全な薬がないからです。もちろん胎児に対する安全性が確立していないことを説明する必要があります。
 神経障害性疼痛あるいは侵害受容性疼痛かどうか不明な場合もあります。その場合には数日投与したら必ず効果判定をしてください。有効か無効か不明なまま漫然と使用することは危険です。数日投与しても痛みが軽減しない場合には必ず中止してください。妊婦に安全な薬なので安心して飲んでもよいとはならない薬です。
 2014年10月の時点では日本の産婦人科医の多くはこの問題を知らないあるいは知らない振りをしています。個人的に集めた情報では、妊婦にアセトアミノフェンの危険性を説明している産婦人科医はほとんどいません。妊婦は自分の身は自分で守る必要があります。
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by fibromyalgia11 | 2014-10-19 16:59 | アセトアミノフェン、NSAID
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
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