カテゴリ:抗うつ薬( 125 )


鎮痛補助薬という名称は適切ではない

 鎮痛補助薬という用語があります。抗欝薬、抗痙攣薬など、本来は鎮痛薬として開発されていないが、神経障害性疼痛の鎮痛に有効な薬物です。鎮痛補助薬は神経障害性疼痛に対する鎮痛薬とほぼ同義です。ノイロトロピンは鎮痛補助薬なのかどうかは意見が分かれます。
 鎮痛補助薬という用語はなくしたほうがよいと思います。「鎮痛薬とは。」と尋ねられれば、私は「侵害受容性疼痛の鎮痛薬はロキソニン、ボルタレン、神経障害性疼痛の鎮痛薬はノイロトロピン、トリプタノール、リリカ・・・・」と答えます。侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛の方が患者数は多いと私は考えています。そのため、鎮痛薬として使用される頻度は神経障害性疼痛の鎮痛薬の方が多いと私は考えています。
 鎮痛補助薬という用語があるから、神経障害性疼痛の鎮痛薬の概念が広がらないと思います。鎮痛補助薬という用語はなくして、神経障害性疼痛の鎮痛薬という用語を広めた方がよいと思います。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-16 22:43 | 抗うつ薬

複数の抗欝薬に暴露された妊娠の危険性

多数の抗欝薬を飲んでいると重大な先天異常, 自然流産spontaneous abortions (SA),治療的流産 therapeutic abortions (TA), 死産, 早産, 低出生体重児, 在胎期間の短縮small for gestational age (SGA) およびNICUへの入院が増えるかもしれない。Information from the Motherisk Program's prospectively collected databaseの妊娠期に抗うつ薬に暴露された1243人の女性。 一つを超える抗うつ薬にさらされた89人の女性, 一つの抗うつ薬にさらされた89人の女性, 抗うつ薬にさらされなかった267人の女性の妊娠の結果を比較。年齢、喫煙、アルコール摂取は一致させた。オッズ比とANOVAを用いて比較。結果:89人中11人 (12%)人は3つの抗欝薬を78人 (88%) は2つの抗欝薬を内服。多数の抗欝薬を飲んでいる群では在胎期間が短縮したこ(0.9 week, P=0.036)を除き3群の結果には有意差はなかった抗欝薬内服群では9人がNICUに入院し、非暴露群では3人が入院したが、有意差はなかった。
J Popul Ther Clin Pharmacol. 2011;18(2):e390-6. Epub 2011 Jul 26.
Outcomes of Infants Exposed to Multiple Antidepressants during Pregnancy: Results of a Cohort Study.
Einarson A, Choi J, Koren G, Einarson T.
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by fibromyalgia11 | 2011-11-12 21:07 | 抗うつ薬

三環系抗うつ薬の方がSSRIより使いやすい

 三環系抗うつ薬は副作用が多く使いにくいと言われますが、私は使いやすいと考えています。副作用の頻度の点では三環系抗うつ薬とSSRIには差がありません。三環系抗うつ薬の主な副作用は、眠気、ふらつき、喉の渇き、排尿障害、便秘、動悸です。それらの副作用は気がつかれやすく、薬を中止すればすぐに副作用はなくなります。一方SSRIには性機能障害や骨粗しょう症、衝動性(自殺や殺人)の副作用が多いのです。約4割の人に性機能障害があると言う報告もあります。性機能障害や骨粗しょう症の副作用は気がつかれにくいのです。また、骨粗しょう症の副作用が分かるまでには何年も投薬していることになります。そのため、骨粗しょう症の副作用が判明した場合、薬を中止しても骨粗しょう症は改善しません。SSRIによる性機能障害は半年以上続くこともあります。場合よっては半永久的に続く可能性さえあります。衝動性(自殺や殺人)の副作用はすぐに気がつかれますが、それが実行されれば薬をやめても死人は生き返りません。自殺よりも殺人の方がさらに忌まわしい副作用です。衝動性(自殺や殺人)の副作用は子供のみならず40歳以上の人にも起こります。
 私にとっては、副作用に気がつかれやすく、薬をやめればたちどころに副作用がなくなる三環系抗うつ薬の方が使いやすいのです。もちろん三環系抗うつ薬にも性機能障害、衝動性(自殺や殺人)の副作用はありますがSSRIよりは少ないと考えています。今後、三環系抗うつ薬の鎮痛効果と同程度の鎮痛効果をもつSSRIが開発されても性機能障害や骨粗しょう症の副作用の頻度が同じ程度であれば、私は三環系抗うつ薬を優先使用します。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-09 19:45 | 抗うつ薬

SSRIと三環系抗うつ薬の副作用の頻度に差はない

 抗うつ薬の中でSSRIの副作用の頻度は三環系抗うつ薬の副作用の頻度より少ないと信じられています。論文にも記載されており、講演会でもそのように述べられます。しかし、それは事実ではありません。抗うつ薬の中でSSRIの副作用の頻度は三環系抗うつ薬の副作用の頻度より少ないという科学的根拠はほとんどありません。私が知る限り一つあるのですが、二重盲検法によるとSSRIと三環系抗うつ薬の副作用に頻度には差がありません。抗うつ薬の中でSSRIの副作用の頻度は三環系抗うつ薬の副作用の頻度より少ないという論文のエビデンスより両者の副作用には差がないという二重盲検法のエビデンスの方が高いのです。「SSRIの副作用の頻度は三環系抗うつ薬の副作用の頻度より少ない。」と記載したり、そのような発言をすると、その人は自分の推測を事実として述べる癖のある信用がない人間と見なされてしまいます。今後「SSRIの副作用の頻度は三環系抗うつ薬の副作用の頻度より少ない。」と記載したり、講演会で述べる場合には根拠を明示する必要があります。
 SSRIより三環系抗うつ薬の方が副作用が少ないと思われるかもしれませんが、それは事実ではありません。SSRIと三環系抗うつ薬の副作用は種類が異なるのです。抗コリン作用に基づく副作用は三環系抗うつ薬に多く、骨粗しょう症、性機能障害の副作用はSSRIに多いのです。骨粗しょう症、性機能障害の副作用は気がつかれにくく、抗コリン作用に基づく副作用は気がつかれやすいのです。
 SSRIより三環系抗うつ薬の方が鎮痛効果が強いのです。そのため神経障害性疼痛に対する鎮痛薬として三環系抗うつ薬よりSSRIを優先することは望ましくありません。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-09 19:29 | 抗うつ薬

1型糖尿病患者の中で抗うつ薬購入者は死亡率が高い

平均9年のthe Finnish Diabetic Nephropathy Study (FinnDiane)での4,174 人の参加者(51%が男性, 年齢39 ± 12歳, 糖尿病の期間22 ± 12歳 [mean ± SD])。抑うつを開始時と経過観察時の抗うつ薬購入と定義. これらの情報はthe Finnish Drug Prescription Registerから得た. すべての原因の死亡や死亡の原因の情報はthe Finnish Cause of Death Registerから得た。結果:開始時には
313人 (7.5%)が抗欝薬を購入していた。研究中に758人 (18.2%) が新たに抗うつ薬購入。開始時の抗欝薬の購入は10年間の累積死亡率が最も高く(22.5% [95% CI 18.1, 26.6]), 次いで途中での抗うつ薬購入者(18.0% [15.4, 20.5])、さらに抗うつ薬を購入していない人 (10.1% [9.0, 11.2], p < 0.001). 修正コックス回帰モデル(年齢, 糖尿病の期間, 拡張期血圧, 喫煙, HbA(1c) およびnephropathy), 開始時の抗うつ薬購入は女性では死亡と関連するが男性ではそうではない。心血管疾患が抗うつ薬を購入しない人の主要な死因。抗うつ薬を購入した人の中で慢性の糖尿病合併症が最も多い死因。

Purchase of antidepressant agents by patients with type 1 diabetes is associated with increased mortality rates in women but not in men.
Ahola AJ, Harjutsalo V, Saraheimo M, Forsblom C, Groop PH; the FinnDiane Study Group.
Diabetologia. 2011 Oct 28. [Epub ahead of print]

 死亡率増加の原因は、うつ病であるのか、抗うつ薬であるのかはこの研究からは分からない。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-05 20:18 | 抗うつ薬

向精神病薬による突然の心臓死

向精神病薬による突然の心臓死sudden cardiac death (SCD)。Methods and resultsThe use of medication was compared between victims of SCDの犠牲者と急性冠動脈イベントの生存者の間で症例対照研究で比較した、つまり医療司法剖検で急性冠動脈イベントが証明されたSCD犠牲者 (n= 1814, 平均年齢65 ± 11歳) と急性心筋梗塞の生存者 (AMI; n= 1171, 平均年齢66 ± 12 歳)の比較。薬歴は剖検/病院の記録とSCD の犠牲者とAMI 患者の家族からの聞き取りで得られた。抗精神病薬 [9.7 vs. 2.4%, odds ratio (OR) 4.4, 95% confidence interval (CI) 2.9-6.6; P< 0.001] と抗うつ薬 (8.6 vs. 5.5%, OR: 1.6, 95% CI: 1.2-2.2; P= 0.003) の使用はAMI 群よりSCD 群により多かったが、benzodiazepinesの使用は両群で差がなかった (11.7 vs. 13.2%; P= 0.270). 抗精神病薬 の使用は交絡変数で補正しても依然としてSCDの危険因子であった (OR: 3.4, 95% CI: 1.8-6.5; P< 0.001)。フェノチアジン系抗精神病薬と抗鬱薬の併用はSCDの非常に高い危険因子 (OR: 18.3, 95% CI: 2.5-135.3; P< 0.001).
フェノチアジン系抗精神病薬
クロルプロマジン(コントミン、ウインタミン) 、レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン) 、チオリダジン(メレリル) 、フルフェナジン(フルメジン、デポ剤としてフルデカシン) 、プロペリシアジン(アパミン、ニューレプチル) 、ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリホラン、トリオミン)

Psychotropic medications and the risk of sudden cardiac death during an acute coronary event.
Honkola J, Hookana E, Malinen S, Kaikkonen KS, Juhani Junttila M, Isohanni M, Kortelainen ML, Huikuri HV.
Eur Heart J. 2011 Sep 14. [Epub ahead of print]
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by fibromyalgia11 | 2011-09-24 15:11 | 抗うつ薬

抗うつ薬と周産期の出来事には関連なし

SSRIまたはノルトリプチリンを投与された母親と子供21ペア。出産後20、30,36週で母親の抑うつを調べた。結果:へその緒と母親の血中濃度の比は平均 ± SD は母親の薬0.52 ± 0.35 (0.00-1.64の範囲) と代謝産物0.54 ± 0.17 (0.28-0.79の範囲. 21人の母親のうち9人 (43%) は大うつ病. the mean ± SD Structured Interview Guide for the Hamilton Depression Rating Scale, Atypical Depression Symptoms Version score は16.0 ± 7.6. 3分の1 (7/21) の新生児には少なくとも1つの周産期の出来事(perinatal event) (PES ≥ 1)があった. 周産期における出産合併症の頻度はうつ病の母親とうつ病ではない母親で同様。周産期の出来事とへその緒と母親の抗鬱薬の血中濃度の比や母親の抑うつレベルには有意差なし。fluoxetineに比べて半減期の短い抗鬱薬に暴露されると周産期の出来事が多い (7/16 = 44% vs 0/5 = 0%; P = .06). 新生児の40% (3/21) は早産児であった。早産はへその緒と母親の代謝産物の濃度の比、抑うつレベル、fluoxetineへの暴露には関連せず.

J Clin Psychiatry. 2011 Jul;72(7):994-1001.
Mother-infant antidepressant concentrations, maternal depression, and perinatal events.Sit D, Perel JM, Wisniewski SR, Helsel JC, Luther JF, Wisner KL.
Women's Behavioral HealthCARE, Western Psychiatric Institute and Clinic, University of Pittsburgh, 3811 O'Hara St, Oxford 410, Pittsburgh, PA 15213, USA.
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by fibromyalgia11 | 2011-08-13 14:39 | 抗うつ薬

サインバルタは抗癌剤による末梢神経障害に有効

oxaliplatin-induced peripheral neuropathy (OIPN).抗癌剤のオキサリプラチン(エルプラット)が引き起こす末梢神経障害。慢性OIPN を合併した39人のIII 又はIV期の大腸直腸がん患者。Duloxetineを 30mg/dayから 60mg/dayに増やす. 治療前と治療12週後に疼痛を調べる。neuropathic painの程度はVAS score とthe National Cancer Institute Common Toxicity Criteria for Adverse Events, version 3 (NCI-CTCAE v3.0)で評価.結果:9人 (23.1%)は副作用のためduloxetineを中止。残りの30人のうち, 19 人(63.3%)でVAS scoreが改善。そのうち9人(47.4%)では同時に gradeが改善, 他の10 人(52.6%)ではNCI-CTCAE v3.0によるgradeがそのままであった. duloxetineによる治療は腎機能や肝機能を障害せず、化学療法も阻害せず。
Duloxetine improves oxaliplatin-induced neuropathy in patients with colorectal cancer: an open-label pilot study.
Yang YH, Lin JK, Chen WS, Lin TC, Yang SH, Jiang JK, Chang SC, Lan YT, Lin CC, Yen CC, Tzeng CH, Wang WS, Chiang HL, Teng CJ, Teng HW.
Support Care Cancer. 2011 Aug 4. [Epub ahead of print]
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by fibromyalgia11 | 2011-08-06 21:30 | 抗うつ薬

抗うつ薬は糖尿病を引き起こしやすい

前向き研究。1,644,679人―年の経過観察の中で 6,641例の新たな2型糖尿病。抗うつ薬の使用は年齢補正した三つのコーホート研究において 糖尿病の危険性を高くする (pooled HR 1.68 [95% CI 1.27, 2.23]).高コレステロール血症や高血圧の既往や要因で補正するとその関連は弱くなった(1.30 [1.14, 1.49]), さらに最近のBMIで補正するとさらに弱くなった (1.17 [1.09, 1.25]). SSRIや他の抗うつ薬(主にTCA)は共に糖尿病の危険性を高くし、多変量で補正すると各々のHRsは 1.10 (1.00, 1.22) と1.26 (1.11, 1.42)。

Diabetologia. 2011 Aug 3. [Epub ahead of print]
Use of antidepressant medication and risk of type 2 diabetes: results from three cohorts of US adults.Pan A, Sun Q, Okereke OI, Rexrode KM, Rubin RR, Lucas M, Willett WC, Manson JE, Hu FB.
Department of Nutrition, Harvard School of Public Health, 655 Huntington Avenue, Boston, MA, 02115, USA.
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by fibromyalgia11 | 2011-08-05 22:52 | 抗うつ薬

トリプタノールとノリトレンにおける突然の心臓死と心室性不整脈の危険性はパキシルと同程度

突然の心臓死と心室性不整脈sudden cardiac death and ventricular arrhythmia (SD/VA)。アメリカの5つの大きな州のMedicaidとMedicareの1999年から2003年までコーホート研究。結果:1.3百万人―年の抗うつ薬暴露で、4222の SD/VAでありこれは 3.3/1000人―年(95%CI, 3.2-3.4). paroxetineと比較して修正ratios (HRs) はbupropion で0.80 (0.67-0.95), doxepinで1.24 (0.93-1.65), lithium で0.79 (0.55-1.15), およびmirtazapine で1.26 (1.11-1.42). amitriptyline, citalopram, fluoxetine, nefazodone, nortriptyline, sertraline, trazodone, and venlafaxineのHRsはほぼ1.

Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2011 Jul 28. doi: 10.1002/pds.2181. [Epub ahead of print]
Antidepressants and the risk of sudden cardiac death and ventricular arrhythmia.
Leonard CE, Bilker WB, Newcomb C, Kimmel SE, Hennessy S.
Center for Clinical Epidemiology and Biostatistics, Department of Biostatistics and Epidemiology, and Center for Education and Research on Therapeutics, University of Pennsylvania School of Medicine, Philadelphia, PA, USA.

三環系抗うつ薬であるトリプタノールやノリトレンには突然の心臓死と心室性不整脈の危険性はパキシルと同程度という報告です。従来の報告とは異なる報告です。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-31 01:35 | 抗うつ薬
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
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