カテゴリ:抗うつ薬( 117 )


抗うつ薬は糖尿病を引き起こしやすい

前向き研究。1,644,679人―年の経過観察の中で 6,641例の新たな2型糖尿病。抗うつ薬の使用は年齢補正した三つのコーホート研究において 糖尿病の危険性を高くする (pooled HR 1.68 [95% CI 1.27, 2.23]).高コレステロール血症や高血圧の既往や要因で補正するとその関連は弱くなった(1.30 [1.14, 1.49]), さらに最近のBMIで補正するとさらに弱くなった (1.17 [1.09, 1.25]). SSRIや他の抗うつ薬(主にTCA)は共に糖尿病の危険性を高くし、多変量で補正すると各々のHRsは 1.10 (1.00, 1.22) と1.26 (1.11, 1.42)。

Diabetologia. 2011 Aug 3. [Epub ahead of print]
Use of antidepressant medication and risk of type 2 diabetes: results from three cohorts of US adults.Pan A, Sun Q, Okereke OI, Rexrode KM, Rubin RR, Lucas M, Willett WC, Manson JE, Hu FB.
Department of Nutrition, Harvard School of Public Health, 655 Huntington Avenue, Boston, MA, 02115, USA.
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-08-05 22:52 | 抗うつ薬

トリプタノールとノリトレンにおける突然の心臓死と心室性不整脈の危険性はパキシルと同程度

突然の心臓死と心室性不整脈sudden cardiac death and ventricular arrhythmia (SD/VA)。アメリカの5つの大きな州のMedicaidとMedicareの1999年から2003年までコーホート研究。結果:1.3百万人―年の抗うつ薬暴露で、4222の SD/VAでありこれは 3.3/1000人―年(95%CI, 3.2-3.4). paroxetineと比較して修正ratios (HRs) はbupropion で0.80 (0.67-0.95), doxepinで1.24 (0.93-1.65), lithium で0.79 (0.55-1.15), およびmirtazapine で1.26 (1.11-1.42). amitriptyline, citalopram, fluoxetine, nefazodone, nortriptyline, sertraline, trazodone, and venlafaxineのHRsはほぼ1.

Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2011 Jul 28. doi: 10.1002/pds.2181. [Epub ahead of print]
Antidepressants and the risk of sudden cardiac death and ventricular arrhythmia.
Leonard CE, Bilker WB, Newcomb C, Kimmel SE, Hennessy S.
Center for Clinical Epidemiology and Biostatistics, Department of Biostatistics and Epidemiology, and Center for Education and Research on Therapeutics, University of Pennsylvania School of Medicine, Philadelphia, PA, USA.

三環系抗うつ薬であるトリプタノールやノリトレンには突然の心臓死と心室性不整脈の危険性はパキシルと同程度という報告です。従来の報告とは異なる報告です。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-07-31 01:35 | 抗うつ薬

抗欝薬、抗痙攣薬、抗不安薬、睡眠薬内服中は自動車運転禁止


戸田克広:眠気を引き起こす薬物の添付文書における問題点—本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意することー 臨床精神医学37(6)831, 2008
 
戸田克広:向精神薬の添付文書における自動車の運転等についての記載は修正すべき 精神科治療学 24 (12) 1534-1535, 2009

 日本の法制度や社会制度の問題点の1つは法律など文章化されていることと実態が解離している頻度が多いことです。
 私は慢性痛を専門としています。抗うつ薬・抗けいれん薬を慢性痛に対する痛み止めとして使用しています。パニック障害が合併する場合には抗不安薬を一時的に使用しています。もちろん抗うつ薬はうつ病の薬ですのでうつ病患者にも使用されています。添付文書と言って薬を使用する際の注意書きがあり、医師はそれを読んで薬を処方することになっています。その添付文書に問題があります。ほとんどすべて(私が知る限りすべて)の抗うつ薬・抗けいれん薬・抗不安薬は副作用で眠気を起こします。そのためほとんどの場合重要な基本的注意として「眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。」又は「眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には,自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。」と記載されています。これは自動車を運転することは禁止という意味と解釈せざるを得ません。しかし、非常にわかりにくい表現です。ほとんどすべての抗うつ薬・抗けいれん薬・抗不安薬での記載です。これらの薬剤以外でも眠気の副作用がある場合には同様の記載です。パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロという抗うつ薬の添付文書には「眠気、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。」と記載されています。自動車を運転することは注意すれば可能と言う意味です。パーキンソン病の薬であるビ・シフロールの場合には添付文書の初めに警告として「前兆のない突発的睡眠及び傾眠等が見られることがあるので、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。[「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照]」と赤字で記載されています。自動車を運転してはならないのであればビ・シフロールの様な記載にすべきであり、自動車を運転してもよいのであればパキシル、ジェイゾロフト、レクサプロの様な記載にすべきです。製薬会社は責任を問われたくない、しかし売り上げを減らさないために「眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。」などという表現にしたのであると推測しています。これは詐欺的行為と思います。私は実名で医学論文中にこの問題を何度も取り上げています。製薬会社にこの問題を指摘したのですが、@@@@@@株式会社など「添付文書を直す権限を持っている機関と交渉する意志がない。」趣旨の返事(字面は丁寧ですが)が返って来ることがしばしばあります。その他多くの製薬会社にもこの問題を指摘したのですが「添付文書を直す機関にこの問題を指摘したが門前払いであった。その機関の名称を答えることは出来ない。」という返事があるのみです。厚生労働省にもこの問題をメールで指摘したのですが黙殺です。添付文書は医薬品医療機器情報提供ホームページからダウンロードできます。http://www.info.pmda.go.jp/psearch/html/menu_tenpu_base.html
 添付文書上はてんかん患者は抗てんかん薬を飲んでいる間は自動車を運転できないことになります。もちろん、てんかん患者は抗てんかん薬を飲んでいない場合には運転が禁止されていると思います。この矛盾を解消すべきです。
 抗うつ薬・抗けいれん薬・抗不安薬以外にも添付文書上自動車の運転ができない薬はいくつかあります。その人たちが自動車の運転が出来ないと日本の経済は破綻します。どのように少なく見積もっても成人の1割は自動車を運転できなくなります。自動車が売れなくなります。通勤、買い物や自動車を運転することが必須の仕事ができなくなります。生産性が悪くなるのみならず、大量の失業者がでるため国家がその人たちの生活費を出す必要があります。
 眠気を起こす薬を自動車を運転する者に処方して事故が起これば、医師が責任を追及されるでしょう。自動車を運転する者に眠気を起こす薬を処方できないとなると、自動車を運転する者はまっとうな医療を受けることができなくなります。医師は患者さんのことを考え、危ない橋を渡っているのです。うつ薬・抗けいれん薬・抗不安薬を飲みながら自動車を運転して眠ってしまい、悲惨な事故が起きる可能性が高いと思います。
 現場の医師や薬剤師は矛盾した制度に苦しんでいます。抗うつ薬・抗けいれん薬・抗不安薬を飲みながら自動車を運転する患者を黙認せざるを得ません。私が知る限り実名でこの矛盾を指摘したのは私のみです。
 現実的な対処が必要です。抗うつ薬・抗けいれん薬・抗不安薬の添付文書を「眠気、めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。」と修正すべきです。
 担当官庁、担当大臣(自民党と民主党)、有名新聞、有名ニュース番組、日本医師会、日本精神神経学会にこの問題点を指摘しましたが現時点では無反応です。

 更に言えば睡眠薬を内服中も自動車の運転は禁止です。就寝前に睡眠薬を飲めば日中は自動車を運転してもよいと誤解している人がいます。「本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。 」と記載されています。

 添付文書の問題を実名で医学論文、医学書に記載している医師は私が知る限り日本では私のみです。日本の医師の皆様、現状がおかしいとお考えでしたら大騒ぎをしてください。私のみが大騒ぎしている現状はおかしいと思います。黙っていれば、医師は現状でよいと考えていると製薬業界からみなされてしまいます。

2012年12月に電子書籍を出版しました。 
抗不安薬による常用量依存―恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇― 第1版
http://p.booklog.jp/book/62140
 その書籍の中にさらに詳しく書いています。有料の本ですが、無料部分に記載しています。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-07-17 13:47 | 抗うつ薬

ワーファリンにSSRI併用すると出血の危険性増加

後ろ向き研究。warfarinに抗うつ薬併用(n = 46) 、ワーファリンのみで抗うつ薬併用していな(n = 54)。過去6ヶ月間の医療記録を調べた。結果: warfarinに抗うつ薬を併用しても6ヶ月間にいかなる出血や大出血とも関連がない。しかし、warfarinにSSRIを併用すると出血が増える (odds ratio 2.6, 95% confidence interval, 1.01-6.4 P = 0.04). 他の要因を考慮してもSSRIの使用は依然として出血の危険因子。
Ther Drug Monit. 2011 Jul 2. [Epub ahead of print]
Bleeding Incidence With Concomitant Use of Antidepressants and Warfarin.Cochran KA, Cavallari LH, Shapiro NL, Bishop JR.
From the *Department of Pharmacy Practice and Administration, University of Missouri-Kansas City School of Pharmacy, Columbia, MO; and †Department of Pharmacy Practice, University of Illinois at Chicago College of Pharmacy, Chicago, IL.

現在飲んでいるSSRIを中止しないで下さい。ワーファリンとSSRIを併用している人は主治医と相談してください。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-07-16 15:27 | 抗うつ薬

妊婦へのSSRI投与は自閉症の危険因子(症例対照研究)

症例対照研究。自閉症スペクトラム障害autism spectrum disorders (ASDs)。298人のASDの子供 (およびその母親) と1507人の無作為に選んだ対照群の子供 (およびその母親)を北カリフォルニアのthe Kaiser Permanente Medical Care Programの会員から選んだ。結果: 出産前に抗うつ薬に暴露されたのはASDsでは20症例 (6.7%) であり対照群では50 例(3.3%). 修正ロジスティック回帰モデルでは, 出産前の母親のSSRI治療はASD の危険性が2倍になる(修正オッズ比, 2.2 [95% confidence interval, 1.2-4.3]),妊娠を3期に分けた第一期の治療が最も影響を受ける (修正オッズ比, 3.8 [95% confidence interval, 1.8-7.8]). No increase in risk was found for 精神疾患の治療を受けた既往があるが出産前にSSRIに暴露されていない母親では危険性が増加しない。
Arch Gen Psychiatry. 2011 Jul 4. [Epub ahead of print]
Antidepressant Use During Pregnancy and Childhood Autism Spectrum Disorders.Croen LA, Grether JK, Yoshida CK, Odouli R, Hendrick V.
Kaiser Permanente Northern California, Oakland (Dr Croen and Mss Yoshida and Odouli), Environmental Health Investigations Branch, California Department of Public Health, Richmond (Dr Grether), and Department of Psychiatry, Neuropsychiatric Institute and Hospital, University of California, Los Angeles (Dr Hendrick).

現在SSRIを飲んでいる人は自己判断で中止しないで下さい。主治医と相談してください。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-07-09 00:35 | 抗うつ薬

製薬会社から資金の出た研究は製薬会社に有利な結果になりやすい

61の論文が乳がんあるいは卵巣がんと抗うつ薬との関連を評価していた。研究者の製薬会社との経済的な結びつきを調べた。meta-analysisを行った。33%(20/61)の研究では抗うつ薬と癌には正の相関あり。67% (41/61)の研究では関連がないか抗増殖作用あり。疫学調査における抗うつ薬と乳がん/卵巣がんの統合オッズ比は1.11 (95% CI, 1.03-1.20). 製薬会社所属の研究者はそうではない研究者よりも抗うつ薬が乳がんや卵巣がんになりにくいという結論に有意になりやすい (0/15 [0%] vs 20/46 [43.5%] (Fisher's Exact test P = 0.0012).
PLoS One. 2011 Apr 6;6(4):e18210.
Antidepressants and Breast and Ovarian Cancer Risk: A Review of the Literature and Researchers' Financial Associations with Industry.Cosgrove L, Shi L, Creasey DE, Anaya-McKivergan M, Myers JA, Huybrechts KF.
The Edmond J. Safra Center for Ethics, Harvard University, Cambridge, Massachusetts, United States of America.

 これは副作用に関する報告ですが、製薬会社が資金を提供した研究では、対象となる薬が有効という結果になりやすいという報告もありました。それは後日報告します。
 エビデンスの根本が崩れる思いです。有効性は実際に使用すればある程度わかるのですが、副作用に関しては判定は困難です。
 この研究には別の見方もあります。抗うつ薬を長期投与すると発がん性があるかもしれないということです。私は治療開始時には全員に「薬を使用すると薬の副作用で死亡する確率がごくわずかだが増えてしまう。」と説明しているので、抗うつ薬の発がん性(疑い)は一切説明していません。しかし、ほとんどの医師はこのような正直な(正直すぎる)説明をしていません。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-06-21 22:33 | 抗うつ薬

パキシルとメバロチンによる高血糖

プラバスタチン(メバロチン)とパキシル併用。 研究者らはさらに3つの患者データベースで非糖尿病患者135人でこれら2剤が同時に処方された後の血糖値を調べたところ、平均19mg/dlの血糖の上昇が見られた他、糖尿病患者では平均48mg/dlもの血糖上昇が見られた。(研究者らはマウスでも検証。同様の結果が得られたとのこと)
 現時点では、血糖が上昇したメカニズムは不明で、なんらかの相互作用があったかどうかも確定されるわけではありませんが、今後の研究が注目されます。
Detecting Drug Interactions From Adverse-Event Reports: Interaction Between Paroxetine and Pravastatin Increases Blood Glucose Levels.
Tatonetti NP, Denny JC, Murphy SN, Fernald GH, Krishnan G, Castro V, Yue P, Tsau PS, Kohane I, Roden DM, Altman RB.
Clin Pharmacol Ther. 2011 May 25. [Epub ahead of print]
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-06-18 12:59 | 抗うつ薬
line

世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
line