カテゴリ:FMの雑感( 86 )


製薬会社同士は敵ではなく味方

 線維筋痛症に有効な薬を販売、製造している製薬会社は敵ではなく、味方です。同じ疾患に対する薬を販売、製造している製薬会社は通常敵です。日本には線維筋痛症があまり知られていません。そのため、協力して線維筋痛症を日本に広める必要があります。すばらしい冷蔵庫を開発しても電気のない村では冷蔵庫は売れません。製薬会社は一致団結して線維筋痛症を日本に広めた方が効率がよいと思います。線維筋痛症が日本に普及すれば自動的に薬は売れます。製薬会社は収益が増えます。線維筋痛症が日本に普及すれば、それを診察する医療機関が増え、それは患者さんの利益になります。
 線維筋痛症の有病率はたった2%ですが、グレーゾーンを含めると有病率は20%になります。線維筋痛症に有効な薬はグレーゾーンにも有効です。超巨大な市場です。
 ノイロトロピン(日本臓器)、リリカとガバペン(ファイザー、エーザイ)、サインバルタ(日本イーライリリー、塩野義)、トレドミン(旭化成ファーマ、ヤンセンファーマ)、メジコン(塩野義)、エパデール(持田)などが協力すればかなり強力な組織になります。各社の代表の皆様、よろしくお願いいたします。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-07 21:07 | FMの雑感

交通事故後の多発愁訴に関する裁判

 交通事故後に理解不能の症状を訴える人が多数います。意図的あるいは無意識的に保険金を狙っているという陰口が言われています。実はそのような訴えをする人の中にはれっきとした病気の人がいます。線維筋痛症やそのグレーゾーン、軽度外傷性脳損傷、脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)、高次脳機能障害などです。
 線維筋痛症の場合には私が知る限り3例(山口地裁岩国支部、広島地裁、京都地裁)の判決が出ています。今後は線維筋痛症と脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)の合併をめぐる裁判、線維筋痛症のグレーゾーンをめぐる裁判が起こると思います。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-06 23:57 | FMの雑感

線維筋痛症の不全型なのか別の疾患なのか

 痛みの範囲が狭い場合には、線維筋痛症の不全型あるいはグレーゾーンなのかわからない場合があります。しかし、治療をする上では問題はありません。ロキソニンやボルタレンといった非ステロイド性抗炎症薬が無効であれば、神経障害性疼痛の治療をすればよいのです。神経障害性疼痛の治療とはすなわち線維筋痛症の治療です。もちろん通常の検査を行い、骨折、炎症などの疾患を否定する必要があります。 
 他の医療機関で検査が行われていた場合に再度検査するかどうかは難しい問題です。他の医療機関で行われた検査にかかわらず最初から検査を行えば、検査としては完璧です。しかし、その場合、放射線被爆の問題、医療費の高騰の問題があります。線維筋痛症やそのグレーゾーンの有病率は少なくとも人口の20%です。その全員が医療機関を変わるたびに最初からすべての検査を行うと膨大な医療費が必要になります。この問題には正解はありません。ケースバイケースとしか言いようがありません。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-16 18:12 | FMの雑感

なぜ同一人物の診断が身体表現性障害と線維筋痛症に分かれるのか

 現時点では同一人物あるいは同一の症状を身体表現性障害(身体化障害、疼痛性障害)と診断する医師と、線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンである慢性広範痛症、慢性局所痛症と診断する医師がいます。前者は主に精神科医です。後者は主にリウマチ医や慢性痛を専門にする医師です。
 なぜこのようなことが起こるのでしょうか。身体表現性障害(身体化障害、疼痛性障害)とは精神科の業界、具体的にはアメリカ精神医学会が定めた病名、診断基準なのです。一方、線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンである慢性広範痛症、慢性局所痛症はリウマチ医や慢性痛を専門にする医師の業界が定めた病名、診断基準なのです。線維筋痛症の診断基準はアメリカリウマチ学会が定めていますが、リウマチ医ではないが慢性痛を専門にする医師もそれに同調しています。
 つまり、二つの業界が全く独立して病名、診断基準を決めたのです。これはおかしなことです。医学の世界に大混乱を引き起こしています。
 二つの業界が一つのテーブルについて話し合うべきと思います。私はこれを英文にして投稿しましたが不採用でした。
 癌という疾患の病名と診断基準を内科と外科が独自に決めて、病名や治療が大きく異なったら世界中の人が困ると思います。それと同じことが起こっているのです。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-13 23:00 | FMの雑感

線維筋痛症患者の人工膝関節置換術

FMと診断されTKA(人工膝関節置換術)を受けた59人(90膝) とマッチさせた同じ手術を受けたFMではない患者。術後の満足度と機能をa Likert scale およびthe SF-36 surveyを用いて評価。3.4年の経過観察時には、FM患者は対照群より TKAの満足度は低く、術前と術後の SF-36 scoresは低かった。対照群のTKA後の改善とFM患者のTKA後の改善は同程度。FMをTKA の禁忌とすべきではない。

Total knee arthroplasty in patients with fibromyalgia.
Bican O, Jacovides C, Pulido L, Saunders C, Parvizi J.
J Knee Surg. 2011 Dec;24(4):265-71.
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by fibromyalgia11 | 2012-02-09 21:34 | FMの雑感

他覚所見がないことは心因性という医学理論の欺瞞

 他覚所見がないことは心因性であるという医学理論があります。その医学理論は間違っています。大化の改新の頃「体が小刻みにふるえて前方に突進する人がいるが、他覚所見がないから心因性である」という医学理論を振りかざす医師(あるいは薬師)がいたかもしれません。現在ではパーキンソン病という疾患です。パーキンソン病に他覚的な異常が見付かったのはつい最近です。現在から100年後の医学から見た現在の医学は、我々が明治時代の医学を見るよりも遅れていると思います。「他覚所見がないことは心因性であるという医学理論」は捨てた方がよいと思います。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-04 10:16 | FMの雑感

交通事故後の線維筋痛症の判決(4050万円)

 交通事故後に発症した線維筋痛症の判決は山口地裁岩国支部の判決が日本で最初と思っていましたがさらに古い判決がありました。(確定済み)
 
平成17年10月13日東京地方裁判所判決(自動車保険ジャーナル・第1620号)
http://www.trkm.co.jp/koutu/09102701.htm

自動車保険ジャーナル・第1620号を読む範囲では、C鑑定では線維筋痛症と診断され、B鑑定ではそれが否定されています。裁判官は線維筋痛症とは判定していないようです。
 私の推測ではこの患者さんは「軽度外傷性脳損傷」の可能性が高いと思います。「軽度」とは受傷直後の症状の程度が軽度であることのみを意味し、その後の症状が軽度であることを意味しません。線維筋痛症を合併している可能性はありますが、 自動車保険ジャーナルを読んだ範囲ではよくわかりません。
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by fibromyalgia11 | 2012-01-31 22:50 | FMの雑感

私と線維筋痛症との出会い

 私が線維筋痛症(FM)とであったのは2003年の春頃です。当時私はアメリカの国立衛生研究所(NIH)で複合性局所疼痛症候群(CRPS)の臨床研究に従事していました。その際、CRPSの患者さんが偶然にFMを合併していました。「Fibromyalgia?」何それという感じでした。初めてFMという病名を見聞きした際、それを受け入れる医師、重要であると思わず無視する医師、拒絶する医師に分かれます。後二者はよく似ています。私は1日で受け入れました。受け入れたというより多くの謎が解けました。CRPSという病名をはじめて知った時よりも衝撃を受けました。自分の不勉強を恥じました。日本に帰ったらFMも専門にしようと決めました。
 私はFMを1日で受け入れました。インターネットを用いて日本語のサイト、英語のサイトを調べいかなる疾患であるかを知りました。PubMedという英語論文を調べる無料サイトにFibromyalgiaを入れると膨大な論文が掲載されている(つまり世界の常識である)ことを知りました。
 私がFMを1日で受け入れた理由は以下の通りです。
1:私はCRPSを専門にしていました。実はFMはCRPSと類似した疾患なのです。CRPS患者さんの中には当初あった腫れ、発赤、局所発熱が全くなくなり痛みだけが残る患者さんがいることを知っていました。当然ですがFM患者さんもFMとは知らずに診療していました。他覚所見のないCRPSの痛みが全身に広がった状態と仮定して治療していました。仮病扱いをしたり、「異常がない(から再度受診しても意味がない)」とは言いませんでしたが、適切な治療はできていなかったと思います。CRPSを専門にしていたことが幸いしました。
2:PubMedという英語論文を調べる無料サイトにFibromyalgiaを入れると膨大な論文が掲載されている(つまり世界の常識である)ことを知りました。
3:FMの原因の一つに下行性疼痛抑制系の機能低下という説があります。ノイロトロピンという日本製の痛み止めがあります。ノイロトロピンの鎮痛効果は下行性疼痛抑制系の活性化と推測されています。実はノイロトロピンは「訳のわからない痛みに有効」と言われています。「訳のわからない痛み」とは線維筋痛症であったと気がついたのです。私はCRPSの動物モデルにノイロトロピンを注射すると鎮痛効果があるという研究をしたため、ノイロトロピンに少し詳しかったのです。
4:アメリカではFMは常識です。医師、看護師は当然知っています。後日掃除をしている人にFMという病気を知っていますかと尋ねると。「知っています。痛い病気です。」とごく普通に知っていました。テレビや新聞に病院の宣伝としてFMがごく普通に出ているため、当然といえば当然です。

 PubMedを使えば世界の常識であることはたちどころにわかるはずなのです。しかし、人間は自分の信じる理論に不都合な事実は無視するか、難癖をつけて質の低いこととみなしたがります。

 日本人医師には文盲はいないと信じています。一度はFMという病名を見聞きしていると信じています。しかし、多くの場合、重要と思わず無視するか、受け入れを拒絶します。
 私は18年も伊達に医師をしていたために、世界の常識であるFMを知りませんでした。非常に恥ずかしいことでした。しかし、FMを重要であると思わず無視したり、拒絶はせず、すぐに受け入れました。私の経歴がFMを受け入れるのに有利であったのです。しかし、アメリカで「FMなどという病気はあるはずがない。」と言おうものなら、「あいつは知識もなければ、新しい知識を学ぶ能力もない。たとえ知識がなくても新しい知識を学ぶ能力さえあれば時間がたてば熟す未熟者である。しかし、知識がない上に新しい知識を学ぶ能力もないから死ぬまで熟さない不熟者である。」と見なされてしまったでしょう。
 日本で線維筋痛症を認めない医師に「FMは世界の常識です。」と言っても自分の身の回りの情報を優先してしまいます。人間は自分の信じる理論に不都合な事実は無視するか、難癖をつけて質の低いこととみなしたがるため、やむをえないのかもしれません。
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by fibromyalgia11 | 2012-01-04 00:58 | FMの雑感

患者数の制限

 線維筋痛症の治療を行っている医療機関のいくつかでは診察の質を保つため患者数の制限をしています。特に大都市の医療機関でそれは行われています。それはやむをえないことです。
 最も一般的な方法は新患患者が申し込んで初診できるまでの期間の延長です。大都会から患者さんが受診されることがあります。その人たちの話では##先生は3か月待ち、@@先生では初診の予約がとれない、という話を聞きます。
 私が患者数の制限目的に行っている方法は受診間隔の延長です。患者さん自身がこれ以上の治療は希望しない場合、つまり薬を全く変更しない場合には、受診間隔を1-4か月にしています。この間隔は患者さん自身に選んでいただいています。これは狭い意味での患者数の制限ではありませんが、広い意味での患者数の制限です。
 薬が一定になるまでは通常は2週間間隔で通院してもらっています。それができない場合には4週間間隔で通院してもらっています。4週間ごとの通院ができない場合には責任が持てないため治療を断っています。症状が重篤あるいは不安定な場合には1週間ごとの通院です。

 私が現在勤務している医療機関は、公共交通機関の便が悪いのです。自動車で通院する人には便利なのですが、公共交通機関の便が悪いのです。これが結果的に患者数の制限につながっています。また、私が現在勤務している医療機関は地域の人たちにはリハビリと緩和の病院と認識されています。腰が痛いから目の前の病院に行ってみようという患者さんはほとんどいません。
 もう一つの方法は、患者さんや私自身に不都合な事実を正確に伝えることです。
1:治療してもよくならない患者さんもいます。自分の治療成績を公開しています。
2:薬物治療により死亡する確率がごくわずかですが増えます。
3:転倒して骨折したり、脊髄損傷になると、薬を中止してもそれがたちどころに治ることはありません。
4:喫煙を継続すると私の力では症状がよくなる可能性は非常に低くなります。
5:線線維筋痛症ではないが線維筋痛症に類似した状態では線維筋痛症と同じ治療を行うことを記載した書類を読んでいただいています。その書類には線維筋痛症の治療成績なども記載されています。線維筋痛症そのものの説明はその書類に記載していますので、口頭ではほとんど行っていません。線維筋痛症ではない場合には、線維筋痛症ではないと伝えています。診断だけを希望される場合には、それで終了です。治療を希望される場合には治療を行っています。治療を希望しない患者さんを説得して治療を受けていただくことはしていません。
6:抗不安薬の長期使用によっておこる忌まわしい副作用を説明しています。自著「線維筋痛症がわかる本」で赤裸々に記載していますので、それは隠しようがありません。
 減量の過程で挫折する人は少なくありません。「認知症になってもやむをえない、死亡率が高くなってもやむをえない、抗不安薬の減量はあきらめます。」と宣言する人には抗不安薬の減量は中止します。しかし、抗不安薬を継続したいために通院そのものを中止する患者さんはいるかもしれません。「抗不安薬の減量はあきらめます。」と宣言するか通院を中止するかは患者さんの判断です。

 これらの説明は患者数を減らす目的で行っているわけではありません。患者さんに隠し事をせず、正直であることが私の方針です。患者さんに正直であることは非常に難しいことです。患者さんには医師を選ぶ権利があります。私の実力をありのままに伝えて、私を選んでいただければ治療いたします。私にとっても不都合なことも隠し事はしないため、気が楽です。私が処方している薬の副作用をどこで受けても問題はありません。死亡することすらあると説明しているのですから。
 この説明は患者数を減らすことを目的にはしていません。しかし、結果的には患者数を減らしています。特に線維筋痛症ではない場合には、再診する患者さんは恐らく約半数です。もちろんこの中には当初から初診のみを目的にした受診も含まれています。
 2011年12月の時点で初診患者さんの待ち期間は1週間前後です。週2日(月、木)の外来です。1時間あたり6人を診察することはほとんどありません。私が勤務する医療機関は予約制を採用していますが、予約時間をほぼ守ることができています。
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by fibromyalgia11 | 2011-12-23 00:27 | FMの雑感

診察時間の短縮方法

 線維筋痛症やそのグレーゾーンの患者さんをたとえ再診患者さんに限定しても1時間に6人以上診察すると診察が荒くなり、トラブルがおきやすくなります。そのためには1時間あたり5人以下にする必要があります。
 一人当たりの診察時間を短縮する事がその対策の一つです。
1:初診患者の話は聞かない。病歴、現在の症状は紙に書いてもらい、極力聞かない。
2:話をさえぎる。こちらの質問に答えず、自分が言いたいことを言い始めたらすぐに話をさえぎり、「私の質問は・・・・です。まずそれにお答え下さい。」と言うことです。無意味に話が長い場合にも、途中で話を遮ります。時間がある場合には問題は話をさえぎる必要はありませんが、時間がない場合にはやむを得ません。
3:紹介状は診察が終了した日の夕方に書く。極力診察中に紹介状を書かないことが重要です。
4:前回と比べて症状が軽減したか、不変か、悪化したかを優先的に尋ねる。不明の場合には不変と同じ扱いをする。また、現状で満足か、不満足かを尋ねる。現状で満足であれば薬物治療は変更しない。不満足であれば薬物治療の何かを変更する。副作用のの有無も尋ねる。また、この三つの質問に対する答えは診察室に入る前に決めていただくように前もって患者さんに依頼しています。
5:患者さんの判断があまりにも遅い場合には一度退室していただき、次の患者さんを診察する。
6:圧痛点の診察は下着プラス1枚、つまり、外を歩くことのできる最低限の衣服の上から行っています。アメリカでは専用の診察着でしているようですが、1人あたりに割くことのできる時間が短い日本では非現実的です。圧痛点の数が18でも0でも同じ治療を私は行っているため圧痛点の数は臨床的にはほとんど意味がありません。現時点では1990年の基準を用いています。2010年の基準を使用することになれば事情は変わります。

 これらを実行すると「冷たい」という評価を受けますが、やむを得ません。予約時間を守ること、診察の質を維持することが最優先です。
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by fibromyalgia11 | 2011-12-22 23:48 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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