カテゴリ:FMの薬物治療総論( 53 )


別の疾患で薬を追加する場合の注意点

 複数の薬を内服した場合の安全性はわかりません。鎮痛効果が強くなるかもしれませんが、副作用が強くなるかもしれません。1つの薬でさえ効果があるか、副作用がでるかは実際に使用しないとわかりません。1つの薬の安全性は動物実験で確かめられていますが、2種類以上の薬を併用した場合の安全性は動物実験で確かめられることはほとんどありません。複数の薬の効果や副作用は実際に使用しないとわかりません。
 線維筋痛症の薬を内服している時に、別の疾患の薬を併用する場合には注意が必要です。たとえそれが、処方箋が不要であり、薬局で購入可能な薬であっても注意が必要です。線維筋痛症の薬をのみ少し眠いながらも痛みが軽くなっていた人が、風邪を引き薬局で風邪薬を購入して飲んだところ眠気が増して転倒することがあります。風邪薬には眠気の副作用があります。線維筋痛症の薬により転倒が起こらない程度の眠気があり、風邪薬の眠気の副作用が加わり転倒したのであろうと推測しています。線維筋痛症の薬を飲んでいる際に新たな薬を飲む際には転倒などの副作用が発生する可能性があることを知っておく必要があります。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-25 14:19 | FMの薬物治療総論

食後内服の意味

 食後に内服する場合が多いのですが、食後にはあまり意味はありません。三食後の場合には8時間ごとの内服、朝食後と夕食後の場合には12時間ごとの内服とほぼ同じ意味です。理論上8時間ごとあるいは12時間ごとの内服の方が優れていても、飲み忘れることが多く実用的ではありません。食事の後に薬を飲む事を習慣にすれば飲み忘れが少ないため、便宜的に三食後あるいは朝食後と夕食後にしたと考えていただいて構いません。食事が出来ない場合に薬を飲まないということは望ましくありません。たとえ食事がなかったり大幅に遅れた場合には、食事には関係なく一定の時間に内服する必要があります。その場合、食前になっても構いません。飲まない薬には効果はありません。ここで言う薬とは鎮痛目的の薬です。糖尿病などの薬の飲み方は主治医にご相談下さい。
 就労している人の中には昼食後の内服を嫌う人がいます。自分の弱みを他人に見せたくないことがその主な理由です。その場合には患者さんの意向に従う必要があります。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-25 14:17 | FMの薬物治療総論

一度投与した薬を中止して再投与する場合 

 何らかの理由により一度投与した薬を中止した後に再投与する場合、初回投与量は通常より多くても構いませんし、漸増の速度は初回の漸増速度より速くても構いません。漸増せず一気に投薬する場合もあります。その差は薬の種類と投与量によります。メジコン、エパデールでは漸増せず一気に上限量を投与しています。トリプタノール50mgであれば漸増せず一気に50mgを投与しています。しかし、ガバペン2400mgを漸増せず一気に投薬することは何となく怖いため、400mgから開始し、3日ごとに200mgずつ漸増しています。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-25 14:15 | FMの薬物治療総論

初診時に複数の薬が少量投与されており、どの薬が有効であるのか不明な場合の対処法

初診時に複数の薬が少量投与されており、どの薬が有効であるのか不明であるが、全体として少し有効である場合には対処が困難です。全ての薬物において有効であるのか、無効であるのかを明確にする必要があります。最も効果がないであろうと推測される薬から一つずつ中止するとともに、有効性の可能性が高い薬を上限量を目指して漸増します。有効性の可能性が高い薬を漸増して鎮痛効果が強くなれば、前述の方法(「線維筋痛症がわかる本」参照)によりその人にとっての最適量を決めます。副作用のために使用不能になれば、その薬を漸減中止することになります。問題は上限量まで使用しても、鎮痛効果が変化しない場合には判断が困難です。その薬に鎮痛効果があるが一定量以上投薬しても鎮痛効果が変化しないのか、その薬に鎮痛効果はなく別の薬に鎮痛効果があるのかの区別が困難です。その場合には、その薬を完全に中止して鎮痛効果の変化を観察します。痛みが変わらなければ、その薬には鎮痛効果がないと判断し中止します。痛みが悪化すれば、その薬には鎮痛効果があると判断し、痛みが軽減する量を再投与します。この際、新たな薬を投与するとその判断が困難になるため、新たな薬を投与しないほうがよいと思います。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-25 14:13 | FMの薬物治療総論

一包化には注意が必要

 三食後と就寝前の4回の内服の機会があり、各回で内服の量が異なります。通常少なくとも一種類の薬は漸増あるいは漸減しています。そのため、一包化を望む患者さんがいます。しかし、原則的に一包化は望ましくありません。高血圧の薬など線維筋痛症とは関係のない薬、あるいは不十分ながら鎮痛効果があり最適量が決まり使用量に変化がない薬は一包化しても構いません。しかし、漸増あるいは漸減している薬は一包化してはいけません。副作用のために漸増を中止したり、逆に減らす必要が出た場合、どの薬が漸増している薬か分かりにくいことがあるため、対応が困難になります。漸減中の場合も同様です。そのため全ての薬を一包化することは望ましくありません。漸増や漸減しない薬を一包化し、漸増あるいは漸減する薬をそれとは別に一包化し、それらをホッチキスでとめればよいと思います。ただし、リリカのように25mg、75mg、150mgと複数の剤形がある場合には剤形ごとに一包化して、それらをホッチキスでとめたほうがよいと思います。ただし、症状により内服する量を増減させる薬は一包化できません。
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by fibromyalgia11 | 2012-03-25 14:09 | FMの薬物治療総論

当初の薬物治療は一定量投与が基本

 線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンの患者さんが初診時に、症状の変化に応じて投薬量を変えていることがしばしばあります。これは望ましくありません。中には1回に投与する薬物の組み合わせ、およびその量を決めておき、投薬回数を変化させる場合もあります。これら方法では個々の薬物の最適量が決まりません。当初は症状の変化にかかわらず一定量の投薬をすることが原則です。これを守らないとその後の治療がうまく行きません。個々の患者さんに最適の投与量が決まった後に、症状の変化に応じて投薬量を変えていることは許容されます。ただし、他の薬の最適量を決める最中には、それは許されません。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-27 20:45 | FMの薬物治療総論

効いている気がするは効いていない、初診時内服薬の対処方法

 初診時に複数の薬物を飲んでいる場合、個々の薬物が有効であるのか無効であるのか不明瞭な場合がしばしばあります。有効か無効かわからない場合には順次中止しています。痛みが悪化すればその薬には鎮痛効果がある判定して、再開します。
 問題は「効いている気がする。」というあいまいな表現です。その薬は通常無効です。中止しても通常は痛みは悪化しません。「効いている気がする。」薬は通常は無効です。
 つまり、明確に有効と答える薬のみを有効と見なします。その場合には各薬物の最適用量を決めます。通常は漸増します。例えばトリプタノールを30mgを飲んでいる場合、なぜ40mgではなく30mgを飲んでいるのかとの質問をします。この質問に答えられる患者さんはほとんどいません。医師が個々の患者さんで個々の薬物の最適用量を決めずに投与していることが多いからです。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-20 20:23 | FMの薬物治療総論

リリカ、サインバルタの優先順位

 私はリリカ、サインバルタの優先順位を下げています。最大の理由は薬価が高い事です。しかし、リリカ、サインバルタに到達するまでに治療を中止する患者さんが少なくありません。痛みが強い場合にはリリカ、サインバルタの優先順位を上げています。これは難しい問題です。患者さんの症状に合わせて優先順位を決めればよいのでしょうが、それでは経験のない医師は治療が出来ません。
 私は医師免許さえあれば誰でもほぼ同じ治療ができるような治療方法を目指しています。文字に書くことができる治療方法を目指しています。その際、エビデンスがないものはエビデンスがないと宣言する必要があります。エビデンスがないものを、あたかもエビデンスがあるかのごとく記載すると、信用を失ってしまいます。繰り返しになりますが。私が個人的に決めた処方の優先順位にはエビデンスはありません。
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by fibromyalgia11 | 2012-01-30 22:36 | FMの薬物治療総論

初診時にトリプタノール、ノリトレン以外の三環系抗うつ薬が有効な場合の対処法

 トリプタノール、ノリトレン以外の三環系抗うつ薬が初診時に使用されており、しかもそれがある程度有効であった場合には注意が必要です。
 慢性痛の知識がある医師であれば、三環系抗うつ薬の中では真っ先にトリプタノール又はノリトレンを使用します。それらを最初に使用し、上限量まで使用して無効であった場合や副作用で使用不能の場合には問題がありません。初診時に使用されている三環系抗うつ薬をそのまま使用します。通常漸増して最適量を決めます。
 しかし、慢性痛の知識があまりない医師はトリプタノール、ノリトレンを使用せず別の三環系抗うつ薬を使用します。問題はトリプタノール、ノリトレンを使用せず、別の三環系抗うつ薬が使用されており、その薬がある程度有効であった場合です。
 二つの方法があります。そのままその三環系抗うつ薬を使用(通常漸増して最適量を決めます)する場合と、トリプタノール又はノリトレンに変更する場合があります。どちらにするのかは医師の勘としか言いようがありません。そのままその三環系抗うつ薬を使用したのではトリプタノール、ノリトレンを使用できません。多くの場合トリプタノール又はノリトレンに変更した方が鎮痛効果が強くなります。しかし、トリプタノール又はノリトレンに変更しても全く鎮痛効果がない場合もあります。私は通常、トリプタノール又はノリトレンに変更しています。通常はそれで問題はありませんが、トリプタノール又はノリトレンに変更しても全く鎮痛効果がない場合もまれにあります。
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by fibromyalgia11 | 2012-01-23 20:54 | FMの薬物治療総論

個々の患者さんで有効な薬物は異なる、それを見つける方法

 線維筋痛症に限らず、全ての慢性痛を引き起こす疾患において、各患者さんで有効な薬は異なります。そのため、各患者さんごとに異なる薬物を使用する必要があります。しかし、それを言うことは簡単ですが、実行することは至難の業です。
 個々の患者さんに有効な薬を前もって知ることができればよいのですが、現時点の医学レベルではそれはわかりません。drug challenge testというほぼ日本でのみ行われている方法はほぼ無力です。それは別のところで述べたいと思います。
 例えば、線維筋痛症でsubtypeに分けて、subtypeごとに治療薬物を分ける方法が一部で提唱されています。subtypeごとに治療薬物を分ける方法以前に、subtype分類が統一されていません。報告により全くsubtypeが異なっています。当然ながらsubtypeごとに治療薬物を分ける方法には現時点では科学的根拠がありません。
 私は、線維筋痛症であろうが、そのグレーゾーンであろうが全く同じ治療を行っています。各薬物の有効性のエビデンスレベルを知った上で、一律に優先順位を決めています(「線維筋痛症がわかる本」参照)。一つの薬を使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば、次の薬を追加しています。上限量を使用しても無効な場合や、副作用に耐えられなくなれば中止しています。この方法により、各患者への投薬は自動的に異なります。
 もちろん、痛みの強さ、自動車をどの程度運転するのか、経済的裕福さ、年齢により薬の優先順位は多少変更されます。
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by fibromyalgia11 | 2012-01-22 00:23 | FMの薬物治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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