カテゴリ:FMの薬物治療総論( 53 )


薬で副作用がでた時の対応

 薬により副作用がでた場合の対応には注意が必要です。患者さんの対応②注意が必要という意味です。副作用が我慢できる場合には我慢する必要があります。しかし、副作用を我慢できない場合には薬を中止あるいは減量する必要があります。鎮痛効果が全くなければ完全に薬を中止すべきです。鎮痛効果がある場合には、我慢できる程度の副作用になるまで減量すべきであり、完全中止は望ましくありません。ただし、我慢できる程度の副作用となると、鎮痛効果があまりにも弱い場合には完全中止せざるを得ません。最適な投与量は効果と副作用のバランスで患者さん自身が決める必要があります。
 しかし、全く鎮痛効果がない量まで薬を減らして飲み続ける患者さんがいます。逆に、逆に我慢できない副作用がでたら、一気に中止する患者さんもいます。それが正しくない事は前もって説明していますが、実行されないことがしばしばあります。
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by fibromyalgia11 | 2012-01-19 20:16 | FMの薬物治療総論

抗うつ薬、抗けいれん薬、抗不安薬、抗精神病薬の後発品は効果が少ないことがある

 心血管疾患に使用する薬物においては、後発品も先発品も同程度の効果を発揮するようである。
Kesselheim AS, Misono AS, Lee JL, Stedman MR, Brookhart MA, Choudhry NK, et al.
Clinical equivalence of generic and brand-name drugs used in cardiovascular disease: a systematic review and meta-analysis.
JAMA. 2008;300:2514-2526.


 しかし、抗うつ薬、抗けいれん薬、抗不安薬、抗精神病薬においては、後発品は先発品より効果が少なく、先発品から後発品に変更するとそれまでなかった副作用が出ることがある。
Desmarais JE, Beauclair L, Margolese HC.
Switching from Brand-Name to Generic Psychotropic Medications: A Literature Review.
CNS Neurosci Ther. 2011 Dec;17(6):750-60.

 日本の後発品と、外国の後発品は必ずしも同じではないため日本における後発品がどうであるのかは厳密にはわかりません。ただし、これは「先発品と後発品は必ずしも同一ではない」ことを前提にした推測です。
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by fibromyalgia11 | 2011-12-27 20:23 | FMの薬物治療総論

トリプタノールとノリトレンの使用方法

 トリプタノールとノリトレンの使用方法は同じです。この薬を適切に使用できれば、他の薬も適切に使用できます。
 1日5mgから開始することが望ましいと思います。当初は薬が有効である必要はありません。副作用による事故を起こさないことが優先です。トリプタノールもノリトレンも10mgと25mgの錠剤がありますが10mgの錠剤を使用したほうが細かい調整が可能です。使用量が決まった場合には25mgを使用してもよいと思います。特にトリプタノールの場合、10mgと25mgの錠剤の薬価が同じであるため薬剤費を節約できます。
 1日5mgから漸増します。1週間で5mgずつ30mgまで増量します。30 mgの時点で副作用も鎮痛効果もなければ以後は1週間に10mgずつ増量します。30 mgの時点で副作用か鎮痛効果のどちらかがあれば50mgまでは1週間に10mgずつ増量します。鎮痛薬として使用する場合の上限量は150mgです。50mgまでは就寝前に1回の投与です。眠気の副作用があるからです。
 150mgを使用せず無効と判断してはいけません。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-27 14:45 | FMの薬物治療総論

後発品は先発品の類似薬、中国製の後発品もある

 後発品と先発品は全く同じではありません。主成分が同じなのであってその他の成分は必ずしも同一ではありません。吸収率が異なる場合もあります。その場合、血中濃度が異なり、薬効も異なります。未確認ですが、吸収率が0%の塗り薬があるという噂があります。
 後発品と先発品の薬効に差がない場合もありますが、差がある場合もあります。慢性痛に使用する薬の場合には差がある可能性が高いという報告があります。論文で有効性が証明された薬は先発品です。当初は後発品を使用することは勧められません。当初から後発品を使用して無効であった場合、先発品を使用しても無効であったのか、先発品では有効であるが後発品にすると無効であったのかがわからなくなるからです。当初は先発品を使用し、有効であれば後発品に変更した方がよいと思います。
 また、後発品には中国製の薬品が使用されています。すべてではありませんが一部の後発品には中国製の薬が使用されています。原材料の一部に中国製の薬が使用されていますが、通常はそれは分かりません。中国製の薬を飲むべきではないという価値観を持つ人は後発品を飲まない方がよいと思います。その価値観が正しいか間違っているかを評論するつもりは私にはありません。また、先発品に中国製の薬が含まれているかどうかは分かりません。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-23 22:37 | FMの薬物治療総論

複数の医療機関で投薬を受けてはいけない

 高血圧や、便秘に対する薬物治療を複数の医療機関で受けている人はまずいないと思います。既に高血圧や、便秘に対する薬物治療を受けている人に、別の医療機関の医師が別の薬を処方することは通常ありません。線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンなどの慢性痛ではそれが頻繁に行われています。痛みやしびれの原因には様々な医学理論があり、異なる医学理論に基づき、様々な薬が別々の医療機関から処方されることは珍しくありません。また、患者さんもそれを受け入れてしまいます。高血圧や、便秘の場合、別の医療機関からそのような申し出があっても、患者さんがそれを受け入れるでしょうか。このことは痛みがが軽んじられている証の1つと私は考えています。
 私が治療している患者さんがいつの間にか別の医療機関で痛みやしびれの薬をもらっていることがあります。湿布や外用薬は構いませんが、内服薬の場合には許容できません。どこか1つの医療機関で治療を受けようように選択を迫ります。慢性痛患者さんで、別の医療機関での投薬を選択した患者さんもいらっしゃいます。最近、リリカを別の医療機関から処方される機会が増えました。その場合もどこか1つの医療機関で治療を受けようように選択を迫っています。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-14 18:05 | FMの薬物治療総論

一つの薬を使用することが決まるたびに血液検査をしましょう

 薬は同時に2つ、3つを使用せず、一つずつ使用することが原則です。少量から漸増し、個々の患者さんに最適の使用量を決めます。不十分ながら鎮痛効果があり、最適量が決まった時点で血液検査をする必要があります。それをせず、3つの薬を使用した時点で薬剤性肝障害などの副作用が見つかった場合には対処が困難です。また、薬剤性肝障害などの有害事象に長時間さらされることになります。半年以上投与すると薬剤性肝障害などの副作用が生じることもあります。その場合には対処が困難ですが、やむを得ません。
 痛み止めは他の医療機関でももらわないように話をしていますが、高血圧など内科疾患などによる投薬はやむを得ません。薬剤性肝障害などの副作用の原因が自分が処方した薬であるのか他の医療機関で処方された薬であるのか不明瞭な場合もあります。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-10 20:57 | FMの薬物治療総論

薬物治療は対症療法という偏見

 治療を対症療法と根本療法に分ける人がいます。この分類には大いなる危険性があります。骨折が起こり痛い場合、骨折を手術で固定したりギプスで固定して痛みを軽減することが根本治療で、痛み止めを用いて痛みを軽減することが対症療法という分類です。骨折の場合には問題はありません。
 しかし、線維筋痛症などの神経障害性疼痛の治療を根本療法と対症療法に分けることは危険です。危険というより不可能です。薬物治療は対症療法と軽く考える患者さんが少なくありません。「薬物治療は対症療法だから根本療法を受けたい。」という患者さんがいます。
 線維筋痛症などの神経障害性疼痛において骨折に対する手術のような根本療法は存在しません。薬物治療は対症療法であると共に根本療法です。線維筋痛症の場合にはどのような治療、薬物でも構いません、痛みがない状態を1年近く持続させれば、治癒(治療を中止しても痛みがぶり返さない状態)する可能性があります。大変残念ですが線維筋痛症の場合、治癒する人は1割前後であり、多くの人は治癒しません。
 理由はわかりませんが、どのような薬であれ痛みがないかほとんどない状態を1年近く続ければ治癒する可能性があります。
うつ病の際、抗鬱薬を対症療法と見なす人は少数と思います。軽症の鬱には抗鬱薬は偽薬と同程度の効果しかありません。つまり、無効です。この問題は別ですが、うつ病の際には抗鬱薬は対症療法とは見なされませんが、線維筋痛症などの神経障害性疼痛では対症療法と見なされがちです。これはおかしなことと思います。線維筋痛症などの神経障害性疼痛では抗鬱薬以外の薬も有効です。
 少なくとも薬物治療の有効性の科学的根拠は、マッサージ、鍼などの科学的根拠より遥かに高いのです。
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by fibromyalgia11 | 2011-11-08 00:16 | FMの薬物治療総論

医療に絶対の安全性を求めてはならない

 医療に絶対の安全性を求めてはいけません。福島県の大野病院事件がありました。患者さんの命を救おうとして手術を行いましたが、患者さん死亡しました。執刀医は逮捕されました。カルテはすでに押収されていたため、証拠隠滅の可能性はありません。逃亡の可能性はありません。医師が医事裁判のために逃亡することはありえません。私の卒業した大学の先輩は一時行方不明(昭和19年か20年に南方の島に軍医として赴任後消息が途絶えました)になりましたが、その後死亡が確認されました。それは例外中の例外です。現時点では医事紛争が原因で逃亡した医師は私が知る限り1人もいません。証拠隠滅の可能性も、逃亡の可能性がなくても逮捕されるのです。これにより切れた医師が少なくありません。救急から撤退した医師もいます。私は患者さんに不都合な事実を正直に話すことにしました。
 薬を使用する限り死亡の可能性はゼロではありません。線維筋痛症の治療には薬物治療は必須です。そのため「私の治療を受けると死亡する危険性がごくわずかですが増えます。」と正直に説明しています。これにより少なくない患者さんが治療を受けません。私は勤務医です。外来患者さんが減っても私自身は困りません。私が勤務している病院にとっても線維筋痛症の外来患者さんが増えてそちらに時間をとられるより、入院患者さんの業務に時間をかけた方が有意義なのです。病院の収入の大部分は入院患者さんから得られているのです。そのため、外来患者さんの数が減る私の説明は許容されていると私は考えています。
 「私の治療を受けると死亡する危険性がごくわずかですが増えます。」という説明により様々なメリットがあります。
1:患者数が減ります。それにより時間をかけて診療ができます。1時間あたり5人が限界です。それ以上であると診療が荒くなります。そうなると様々なトラブルが起きる可能性が高くなります。線維筋痛症の診療を行うと他の疾患より様々なトラブルに見舞われる危険性が高くなります。維持紛争が起こり線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンの診療ができなくなることを私は恐れています。そうなると私自身も困りますし、私の患者さんも困ります。私自身の利益のため、多くの患者さんのために患者数を制限する必要があるのです。私の説明は意図したわけではありませんが、結果として患者数を制限しています。
 患者数を制限するもう一つの方法は初診患者の制限です。東京や大阪の有名病院では初診患者は3か月以上の待ち時間がかかることがまれではありません。私は東京や大阪の有名病院に負けない治療をしているつもりですが初診患者さんの待ち時間は1週間以内です。
2:副作用の詳細な説明が不要になります。薬には様々な副作用があります。死亡の副作用を説明すれば、それ以上の副作用はないため詳細な副作用の説明は不要になります。厳密に言えば死亡するよりも悪い副作用があります。殺人です。SSRIという抗欝薬により殺人という副作用がごくまれに起こります。さすがにその副作用は説明していません。
3:重篤な副作用が起こってもトラブルが少ない
 私が処方した薬により強烈な殺人願望と強烈な自殺念慮がおこったことがありました。幸いにも、当時は「自殺の危険性がごくわずかに高くなる。」という説明をしていたためにトラブルにはなりませんでした。二度と受診しなくなりましたが、私は非難されませんでした。
4:「自殺の危険性がごくわずかに高くなる。」という説明をしても治療を希望する患者さんと、治療を希望しない患者さんがいます。明確なデータはありませんがその患者さんには差があると考えています。その差はここでは述べることができません。最終的には私が治療している患者さんの利益になります。

 ほとんどすべての薬には死亡の報告あるいは死亡の危険性があります。ピーナッツやそばを食べても死亡する人がいるのです。薬はピーナッツやそばよりは危険なのです。そのため、絶対に死亡しない治療を希望するのであればほとんどの薬を使用できません。ほとんどの薬を使用できないことは医療を受けることができないこととほぼ同義です。絶対の安全性を求めると医療を受けることができなくなります。鍼でも死亡例があるのです。自動車、飛行機、電車に乗ると死亡するかもしれません。なぜ医療には絶対の安全性を求めるのでしょうか。
 
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by fibromyalgia11 | 2011-11-05 19:05 | FMの薬物治療総論

複数の薬物を併用する際の安全性は不明

 患者さんから二つ、あるいは三つの薬を併用しても大丈夫ですかという質問をしばしば受けます。答えは不明としか言いようがありません。一つの薬の場合には動物実験により安全性が確かめられています。しかし、2つ以上の薬を併用した場合の安全性は動物実験では調べられていません。ごく例外的な組み合わせは動物実験で調べられているかもしれませんが、通常二つ以上の薬の組み合わせは動物実験では安全性が確かめれれていません。3つの組み合わせ、4つの組み合わせの安全性を動物実験で調べる事は不可能です。
 明らかに併用してはならない組み合わせはいくつかあります。しかし、それを除けば、安全かどうかは個々の患者さんに実際に使用するしか方法はありません。ひとつの薬でさえ、効果がでるか、副作用がでるかは実際に飲むしか方法はありません。ましてや二つ以上の薬を併用した際の安全性はわかりません。
 ある患者さんから人体実験ではないかという指摘を受けました。その通りです。個々の患者さんを使った人体実験としかいいようがありません。
 
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by fibromyalgia11 | 2011-10-31 23:04 | FMの薬物治療総論

薬を漸増する速度

 線維筋痛症の薬物治療では一つずつ薬を増やすことが重要です。私はトリプタノールは優先的に使用していますが、リリカは8,9番目にしています。
 トリプタノールの場合には患者さんが副作用にどの程度強いか弱いかはわからないため、ほとんど一律に漸増しています。5mgから30mgまでは1週間に5mgずつ増やし、30mgの時点で副作用も鎮痛効果もなければ、以後は1週間に10mgずつ増やしています。の時点で副作用か鎮痛効果があれば50mgまでは1週間に5mgずつ増やし、50mg以降は1週間に10mgずつ増やしています。
 リリカを使う場合には、ある程度の薬を使用していますのでその患者さんが眠気などの副作用にどの程度強いか弱いかある程度分かります。薬を増やす速さと初回投与量は現時点での副作用の程度、副作用に対する患者さんの耐久性(それまで使用した薬に対する反応で判断)、痛みの程度の組み合わせで判断します。現時点で副作用が強い、副作用に対する耐久性が弱い、痛みが軽い場合には薬を増量する速度を遅くしたり初回投与量を減らします。。逆に、現時点で副作用が弱い、副作用に対する耐久性が強い、痛みが強い場合には薬を増量する速度を速くしたり、初回投与量を多くします。。リリカの場合には、漸増の速度をどのようにするかの決定(匙加減)が医師の腕の見せ所です。この匙加減は医師の経験に基づくとしか記載できません。私は通常、初回投与量を25mgにしています。1週間ごとに50mg、75mgと増やします。そこからは前述の要素により増量の速度を変化させます。
 眠気、めまい、ふらつきの副作用は、通一定量の投薬を1-2週間行えば、通常軽減します。それらの副作用に耐えられない場合で、鎮痛効果がなければ、漸減後完全中止します。それらの副作用に耐えられない場合で、鎮痛効果があれば、投薬量を少し減らして様子を見ます。通常眠気の副作用は軽減するので、今度は漸増の速度を遅くして薬を再び増やします。
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by fibromyalgia11 | 2011-10-17 19:36 | FMの薬物治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
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