カテゴリ:FMの薬物治療総論( 53 )


自己判断での薬の中断は危険

 薬はある意味毒です。副作用がない薬は存在しません。ほとんどすべての薬には死亡の報告あるいは死亡の可能性があります。そば、ピーナッツ、エビを食べて死亡する人もいます。医師が処方する薬はそれらよりは危険です。絶対の安全性を求めるのであれば、ほとんどすべての薬を飲めなくなります。それは医療を受けられないこととほぼ同義です。
 私は様々な薬の副作用を記載しています。その中には発がん性や死亡などの忌まわしい副作用もあります。しかし、自己判断では決して薬を中断しないで下さい。必ず、その薬を処方した医師に相談してください。前述しようように、薬を飲む際には、ある程度の危険性はやむを得ません。忌まわしい副作用でも、代わりの薬がなく副作用の頻度が少ない場合には、忌まわしい副作用を承知の上で薬を飲み続けなければならないこともあります。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-25 01:28 | FMの薬物治療総論

抗痙攣薬はこわばりに有効かどうか不明

 線維筋痛症におけるこわばりには抗痙攣薬が他の薬より有効という報告はありません。また、私が知る限り抗痙攣薬は線維筋痛症のこわばりを軽減するという報告はありません。そのため、筋緊張が亢進した線維筋痛症に抗痙攣薬を優先的に使用するという医学理論には根拠がありません。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-24 17:37 | FMの薬物治療総論

抗うつ薬の鎮痛効果は抗うつ効果とは独立

 例外的な少数の報告を除けば、抗うつ薬の鎮痛効果は抗うつ効果とは独立しています。そのため、うつ病を合併した線維筋痛症には抗うつ薬を優先的に使用し、うつ病を合併しない線維筋痛症には抗うつ薬を優先的には使用しないという医学理論には根拠がありません。
 基本的にはうつと痛みは別個に治療すべきです。もちろん抗うつ薬、特にSNRIは同一用量で痛みとうつに有効ですが、これは例外です。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-24 17:32 | FMの薬物治療総論

線維筋痛症に有効な治療と線維筋痛症以外に有効な治療は区別しましょう

 線維筋痛症に有効な治療を、線維筋痛症とは異なる疾患に有効な治療は区別すべきです。それを混同すると大混乱に陥ります。癌型の線維筋痛症に抗癌剤が有効、あるいは肺炎型の線維筋痛症に抗生物質が有効という医学理論は間違っています。抗癌剤が有効である病気は癌であって、線維筋痛症ではありません。抗生物質が有効である病気は肺炎であって線維筋痛症ではありません。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-23 22:27 | FMの薬物治療総論

有効性のみで優先順位を決めない

 一般的には薬を使用する優先順位は薬の有効性の証拠の強さで決められています。しかし、これは実際的ではありません。薬の副作用や費用も優先順位に反映させるべきです。
 ここで大きな問題があります。製薬会社が費用を出した研究は製薬会社に有利(有効性が出やすい、副作用が出にくい)に報告されやすいのです。そのため、優先順位は論文上の鎮痛効果、自分が実際に使用して経験した治療効果、論文上の副作用、自分が実際に経験した副作用、費用の5つで決められるべきです。
 線維筋痛症をタイプに分ける努力がなされいますが、報告者によってその分類方法は全く異なっています。現時点では線維筋痛症をタイプに分けてタイプ別に治療を分けるという治療方針は世界標準ではありません。
 私は前述の5つの要素を総合的に判断して薬の優先順位を一律に決めています。副作用が少ないことを優先した順番も別に決めています。基本的にこの二つのどちらかを個々の患者さんに使っています。これにより治療が単純になります。私が治療しようが、卒後2年目の医師が治療しようがほぼ同じ治療成績を得ることができます。線維筋痛症の治療に慣れていない医師は当初は私の優先順位を使用し、不都合があれば自分なりに順番を変更すればよいと思います。ただし、一律に優先順位を決めるという治療方針やこの優先順位は世界標準の医学ではなくあくまで私個人の治療方針です。また、この優先順位は時々変更になります。
 5つの要素を考慮した優先順位は
1:ノイロトロピン
2:トリプタノール
3:ノリトレンまたはメジコン
5:プロテカジン
6:トレドミン
7:ガバペン
8:サインバルタ
9:リリカ
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by fibromyalgia11 | 2011-07-06 21:25 | FMの薬物治療総論

上限量を処方せず無効と判断しない

 個々の薬物は上限量を目指して漸増してください。例えば、トリプタノールは論文上は1日50mgまでが有効で、論文上はそれ以上の有効性は報告されていません。しかし、必ず上限量の150mgまで処方して下さい。100mgを超えて初めて鎮痛効果が出る人がいます。上限量を処方せず無効と判断しないで下さい。
 
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by fibromyalgia11 | 2011-07-06 19:59 | FMの薬物治療総論

当初は一つの薬のみを処方

 当初から複数の薬物を処方することは望ましくありません。当初は一つの薬を処方し不十分な効果であれば新たな薬を処方することが疼痛のみならず高血圧などほとんどすべての疾患の薬物治療の原則です。
 症状がよくならず私を受診した患者さんの大部分は当初から複数の薬物を処方され、長期間(場合によっては半年以上)全く同じ薬を処方されています。1年間に処方された薬の種類を増やすことが、自分に有効な薬が見つかる確率を増加させます。
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by fibromyalgia11 | 2011-07-06 19:54 | FMの薬物治療総論

薬物併用による鎮痛効果の減弱

健常人に疼痛刺激を加えた際アセトアミノフェン単独、トロピセトロン単独では鎮痛効果があるが、両者を併用すると鎮痛効果がなくなる。
Bandschapp O, Filitz J, Urwyler A, Koppert W, Ruppen W. Tropisetron blocks analgesic action of acetaminophen: A human pain model study. Pain. 2011;152:1304-1310.

 これは線維筋痛症ではありませんが、単独では鎮痛効果がる薬を併用すると鎮痛効果がなくなるという報告です。つまり二つの薬を当初から併用すると鎮痛効果がないが、そのうち一つを使用すると鎮痛効果が得られるという報告です。
 この報告から、複数の薬物を当初から併用することは望ましくないことがわかります。
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by fibromyalgia11 | 2011-06-28 00:02 | FMの薬物治療総論

サプリメントには要注意

 ある程度有効なサプリメントは存在しますが、現時点で報告されている範囲では有効性の証拠はサプリメントより圧倒的に通常の薬の方が強いのです。様々な薬の有効性を調べた研究では偽薬でも必ず一定数の患者は症状が改善します。そのために有効な薬とは偽薬の鎮痛効果よりも統計学的に意味のある差の鎮痛効果がある薬なのです。ほとんどのサプリメントは偽薬との比較をしていません。少数の有効例(偽薬効果の可能性が高い)をことさらに強調して患者さんに有効性を吹聴しているようです。「この薬は有効」ということは簡単ですが、その根拠を示すことは困難です。
 医師免許を持つ者が自費診療を行いサプリメントを勧めることがあります。有効性が証明された薬があるのに有効性が証明されていないサプリメントを勧めることには何か理由があると考えてください。治療を受ける前に料金を十分に確認してください。
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by fibromyalgia11 | 2011-06-23 20:08 | FMの薬物治療総論

無効な薬は中止しましょう

 「線維筋痛症にはノイロトロピンが有効」や「線維筋痛症にはリリカが有効」とどこかで聞きつけて線維筋痛症やそのグレーゾーンにノイロトロピンやリリカが処方されることがあります。薬物治療の順番をどうするかという問題はありますが、それは特に問題はありません。問題はそれらが無効な場合です。無効なノイロトロピンが1年以上投与されることは珍しくありません。ノイロトロピンは線維筋痛症に有効なのですが、最長でも2か月経過して痛みが変化しなければ無効とみなして中止すべきです。整形外科領域では「訳のわからない痛みにはノイロトロピン」という言い伝えがあります。「訳のわからない痛み」とは今日でいう線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンであろうと思います。その言い伝えは正しいのですが、ノイロトロピンといえども無効な場合には1年以上使用することは望ましくありません。
 リリカも同様です。無効なら必ず上限量の600mgまで漸増し、上限量を1-2週間使用して無効なら中止すべきです。
 自分の手におえないのであれば、専門家に紹介すればよいと思います。もっとも、線維筋痛症の治療は簡単です。拙書「線維筋痛症がわかる本」(主婦の友社)を読めば3時間で専門家になれます。
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by fibromyalgia11 | 2011-06-20 19:27 | FMの薬物治療総論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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