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線維筋痛症におけるメジコンの有効性

 メジコンは咳止めとして使用されていますが、線維筋痛症に対する鎮痛薬でもあります。NMDA受容体の阻害薬です。つまりケタミンの類似薬です。ケタミンは麻酔薬でもありますが鎮痛薬でもあります。しかし、麻薬指定されたため使用が困難です。副作用が少ないため、優先して使用しています。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-27 14:47 | FMの薬物治療各論

当初から複数の薬物を処方してはいけない

 医学の世界では薬物治療を行う際には当初から複数の薬物を使用せず、一つの薬物のみを処方し必要があれば追加を行うことが原則です。これは痛みの業界のみならずほとんどすべての診療科で該当します。抗がん剤など、当初から複数の薬物を使用する場合はありますが、それは例外です。
 国際疼痛学会は神経障害性疼痛に対する治療のガイドラインで「一つのみの薬物を当初は使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば追加をする。」と述べています。線維筋痛症は神経障害性疼痛に含まれます。そのガイドラインは実は三叉神経痛や線維筋痛症を除外した神経障害性疼痛のガイドラインです。そのガイドラインには各薬物の有効性にランクをつけています。そのガイドラインに記載されている各薬物の有効性のランクは三叉神経痛や線維筋痛症においては有効ではありません。しかし、「一つのみの薬物を当初は使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば追加をする。」は三叉神経痛や線維筋痛症にも当てはまると考えています。
 当初から複数の薬物を投与すると多くの問題が起こります。最大の問題点はどの薬物が有効で、どの薬物が無効かわからなくなることです。有効な薬物は増量すべきなのですがそれが非常に困難になります。無効な薬物を漫然と半年以上投与することにつながりやすくなります。薬物を併用すると鎮痛効果が強くなることがありますが、鎮痛効果が弱くなることもあります。当初から複数の薬物を投与したのではそれが不明瞭になります。副作用が生じた場合には、原因となる薬物を特定することが非常に困難です。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-26 21:11 | FMの薬物治療総論

タバコは厳禁

 線維筋痛症にとってタバコは大敵です。線維筋痛症患者の中で喫煙者は非喫煙者より症状が強いという報告や、喫煙者は線維筋痛症になりやすいという報告があります。私の治療経験では喫煙を継続した患者さんでは症状がほとんど改善しませんでした。記念をした患者さんの中で症状がよくなった人と、よくならなかった人がいます。禁煙をすると全員の症状がよくなるとはいえませんが、喫煙を継続すると治療のスタートラインに立つことができません。
 受動喫煙がないように気をつけるべきです。タバコの煙を直接吸う直接受動喫煙と、喫煙者の髪、服、息に含まれる有毒物質を吸う間接受動喫煙があります。配偶者は閉鎖空間に長時間いることが多いので、屋外喫煙では不十分です。間接受動喫煙防止のため、配偶者には完全禁煙が求められます。その他の家族は屋外喫煙が求められます。換気扇の前での喫煙では不十分です。
 喫煙者の場合、喫煙者との人間関係を考え直す必要があります。友人、知人が自宅を訪問した場合、自宅内で喫煙することが習慣になっています。会食の際にも喫煙をすることが習慣になっています。喫煙者の友人、知人が自宅内で喫煙することを禁止する必要があります。自宅内で喫煙されるとカーテンや衣服にタバコの煙がついてしま、間接受動喫煙が起こってしまいます。喫煙者は間接受動喫煙の概念を知りません。食事の際、嫌煙者は受動喫煙がおきにくい場所を知っていますが、喫煙者はその場所を知りません。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-26 20:47 | FMの非薬物治療

腰痛、肩こりから線維筋痛症へ


 線維筋痛症は独立した疾患ではありません。通常、肩こりや腰痛からグレーゾーンを経由して線維筋痛症が発生します。身体の5か所に痛みが3か月以上持続し、18か所の圧痛点のうち11か所以上に圧痛があれば、他にいかなる疾患があっても自動的に線維筋痛症が存在します。身体の5か所に痛みが3か月以上持続するが、圧痛点の数が10以下の場合はchronic widespread pain(慢性広範痛症)といいます。これは狭義の慢性広範痛症ですが、広義の慢性広範痛症は線維筋痛症を含みます。「身体の5か所に痛みが3か月以上持続する」という基準を満たさないが肩こりのみや腰痛のみより痛みの範囲が広い状態を通常chronic regional pain(慢性局所痛症)と言います。論文により線維筋痛症が慢性広範痛症に含まれていたり、含まれていなかったりするため、広義の慢性広範痛症と狭義の慢性広範痛症と表現しました。この基準は1990年の線維筋痛症の分類基準に記載されているchronic widespread painの基準です。これ以外の慢性広範痛症の基準も存在しますが、この基準の使用頻度が圧倒的に多いのです。他の疾患で症状が説明できる場合には通常、慢性広範痛症や慢性局所痛症とは診断されません。慢性広範痛症と慢性局所痛症の境界は明瞭ですが、慢性局所痛症と肩こりのみ、腰痛のみとの境界は不明瞭です。通常、肩こりや腰痛から慢性局所痛症、そして慢性広範痛症、最後に線維筋痛症になるので当然といえば当然です。
 線維筋痛症の有病率は先進国では約2%と報告されています。線維筋痛症を含む慢性広範痛症の有病率は約10%です。慢性局所痛症の有病率は慢性広範痛症の有病率の1-2倍です。慢性局所痛症から慢性広範痛症、線維筋痛症に進展するに従い症状が強くなります。線維筋痛症を治療している世界の医療機関では通常慢性広範痛症に対しては線維筋痛症と同じ治療が行われています。慢性局所痛症に対しても恐らく線維筋痛症と同じ治療が行われていると考えています。慢性局所痛症や慢性広範痛症に線維筋痛症の治療を行えば、有意差はありませんが線維筋痛症以上の治療性成績を得る事が出来ます。つまり、人口の少なくとも2割は線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンであり、その人々に線維筋痛症の治療が有効です。もちろんグレーゾーンの人々全員が医療を必要としているわけではありません。また慢性局所痛症や慢性広範痛症の有病率の中には関節リウマチなどの疾患が含まれている可能性がありますが、人口の少なくとも2割という膨大な有病率の前では誤差範囲と考えています。
 線維筋痛症、慢性広範痛症、慢性局所痛症に同じ治療を行うのであれば、通常の臨床においてはそれらを区別する意義はありません。しかし、学会で発表する場合や論文を書く場合にその区別は必要です。圧痛点の数が0の患者さんを線維筋痛症と見なしたのでは治療方法の優劣の比較が出来ません。しかし、日本では圧痛点が10なので線維筋痛症ではない、そのため治療方法がないと宣告される場合が少なくありません。線維筋痛症の治療を行っている医療機関でもこのような事が起きています。線維筋痛症でなければ、線維筋痛症の治療を受けないという患者さんもいます。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-26 20:18 | FMの雑感

線維筋痛症の位置づけ

 線維筋痛症には炎症所見がありません。つまりCRPや赤沈には異常がありません。また、現時点では抗原抗体反応が起こっている事は示されていません。そのため線維筋痛症は膠原病でも、リウマチ性疾患でもありません。線維筋痛症は慢性痛です。なぞこのような事をいうのか。それは治療の違いです。膠原病やリウマチ性疾患であれば非ステロイド性抗炎症薬(ボルタレンやロキソニンなど)やステロイドが有効です。慢性痛には抗うつ薬、ノイロトロピン、ガバペン、リリカなどが有効です。線維筋痛症には非ステロイド性抗炎症薬やステロイドは通常、無効です。ステロイドは無効なばかりか副作用の頻度が多いため有害です。偽薬(効果も副作用も通常ない薬)とステロイドを二重盲検法(患者も医師も本物の薬か偽薬かわからない研究)で調べると、有意差はないがステロイドを使用した患者では治療成績が悪かったという報告があります。ステロイドが有効である別の病気を合併している場合にはステロイドが有効です。この場合、ステロイドは線維筋痛症に有効なのではなく、線維筋痛症とは異なる別の病気に有効なのです。
 線維筋痛症の原因は不明ですが脳の機能の何らかの異常であるという説が定説になっています。Central sensitivity syndrome(中枢性過敏症候群)という一群の疾患(症候群)があります。何らかの原因により脳にcentral sencitization(中枢神経の過敏化)がおこりそれにより発生した一群の疾患です。これにはうつ病、不安障害、線維筋痛症、慢性疲労症候群、むずむず脚症候群などが含まれます。その他にも多くの疾患が含まれます。Functional somatic syndrome(機能性身体身体症候群)という用語が用いられています。機能性身体身体症候群に含まれる病気と中枢性過敏症候群に含まれる疾患はほぼ同じです。機能性身体身体症候群は検査で異常がないにもかかわらず、様々な症状を呈する疾患を意味します。この名称はなんとなく、症状は気のせいであるという考えを連想させてしまいます。疾患の原因の観点から中枢性過敏症候群の方が望ましい名称であると思います。線維筋痛症は中枢性過敏症候群の典型的な疾患なのです。

 現時点では線維筋痛症に関する本の中で世界標準の線維筋痛症の記載が最も多い本は「線維筋痛症がわかる本」(主婦の友社)と思います。
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by fibromyalgia11 | 2011-02-26 19:40 | FMの雑感
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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