<   2011年 09月 ( 58 )   > この月の画像一覧


xenotropic-MLV-related virusは見つからず

xenotropic-MLV-related virus (XMRV)を含むMurine leukemia viruses (MLV)。XMRV/MLVが以前陽性であった15人 (14人の CFS患者) と以前そのウイルスがいないことが確認された15人の健常人を比較の血液を検査。どちらの血液かわからないようにして9つの研究室に送った。二つの研究室のみがXMRV/MLVsを報告; しかしCFS患者と健常人で同程度の反応であった。この結果から現在の検査ではXMRV/MLVを再現できない。

Science. 2011 Sep 22. [Epub ahead of print]
Failure to Confirm XMRV/MLVs in the Blood of Patients with Chronic Fatigue Syndrome: A Multi-Laboratory Study.
Simmons G, Glynn SA, Komaroff AL, Mikovits JA, Tobler LH, Hackett J Jr, Tang N, Switzer WM, Heneine W, Hewlett IK, Zhao J, Lo SC, Alter HJ, Linnen JM, Gao K, Coffin JM, Kearney MF, Ruscetti FW, Pfost MA, Bethel J, Kleinman S, Holmberg JA, Busch MP; for the Blood XMRV Scientific Research Working Group (SRWG).
Blood Systems Research Institute and University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94118, USA.

XMRV/MLVsは陰性であるという報告が多く、この論文はScienceですし、XMRV/MLVs説は否定的な印象を受けます。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-29 21:30 | 慢性疲労症候群

複数の薬物が有効な理論

 一人の患者さんに複数の薬物が有効なことがあります。薬A、薬B、薬Cが有効とします。この場合、薬A、薬B、薬Cが有効な痛みは異なると推測されています。実際、「・・・・の性状の痛みには薬Aが有効、@@@@の性状の痛みには薬Bが有効、###の性状の痛みには薬Cが有効」と痛みの性状と、それに有効な薬を判別できる患者さんがいます。同様に「@@の部位の痛みには薬Aが有効で**の部位の痛みには薬Bが有効」という患者さんもいます。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-28 19:55 | FMの治療総論

ケタミン点滴の効果

49人の患者に369回の外来でのketamine点滴を行い、後ろ向き研究。データがないため36回の点滴は除外。18人(37%)はCRPS.残りの31人31 (63%)のうち, 8人は難治性頭痛、7人はひどい背部痛。全員VASが有意に低下、5.9 (standard error [SE] 0.35). CRPSの患者ではVASの低下は7.2 (SE 0.51, P<0.001); 他の疾患ではVASの低下は5.1 (SE 0.40, P<0.001). 群間の差の2.1は有意(SE 0.64 P=0.002). 29人の患者では疼痛改善の期間を記録。the Bernoulli modelを用いると, 難治性の疼痛状態患者での疼痛改善の持続の確率は90%信頼区間で59-85% (3週以上では23-51%). 副作用はわずかであった。

Efficacy of Outpatient Ketamine Infusions in Refractory Chronic Pain Syndromes: A 5-Year Retrospective Analysis.
Patil S, Anitescu M.
Pain Med. 2011 Sep 21. doi: 10.1111/j.1526-4637.2011.01241.x. [Epub ahead of print]
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-27 22:05 | 複合性局所疼痛症候群

交感神経ブロックはSympathetically maintained pain の診断に有用か

Sympathetically maintained pain (SMP)。経験豊富な麻酔科医が19人の患者(SGBや胸部交感神経ブロック11人、腰部交感神経ブロック12人)。痛みの程度をブロック前、ブロック後10分、30分、1時間、3時間、6時間で調べた。両側の皮膚温をブロック前30分、ブロック後120分まで測定、冷却、加温、接触、振動刺激の閾値をブロック前後に調べた。結果:23回のブロック中10回(43%)ではSMPの診断には適さなかった(4回は皮膚温上昇が不十分、6回は痛い部位での冷却と接触の閾値が増加した)。11回のブロックでは感覚閾値は有意には変化せず。2人では冷却と接触の閾値が顕著に低下した。SMPは少なくとも1つのブロックにより併用した体性感覚ブロックなしで皮膚温の増加が起こった12人中1人(25%)で診断可能であった。結果:交感神経ブロックはSMPの診断に有用であった。しかし擬陽性(故意ではない感覚ブロック)や擬陰性(不十分な交感神経ブロック)の可能性があるためその価値は限定的。SMPの適切な診断を行うためには、ブロック後少なくとも90分間の交感神経機能と体性感覚機能の適切なモニターが必要。

Are Sympathetic Blocks Useful for Diagnostic Purposes?
Krumova EK, Gussone C, Regeniter S, Westermann A, Zenz M, Maier C.
Reg Anesth Pain Med. 2011 Sep 20. [Epub ahead of print]
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-27 20:48 | 複合性局所疼痛症候群

2011年の診断基準は臨床には使えない?

What is the purpose of the 2011 criteria for fibromyalgia?
Toda K.
Ann Med. 2011 Sep 22. [Epub ahead of print] No abstract available.

 Wolfe医師は「2011年の診断基準は個人の臨床診断には使用すべきではない。」と記載しました。2010年の基準は2011年の診断基準に取って代わられたと戸田は考えていました。2010年と2011年の診断基準の目的は何でしょうか。

 Wolfe医師の回答によっては2010年の診断基準と2011年の診断基準の意義が大きく変わるかもしれません。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-27 20:00 | FMの診断

痛みと機能的能力の相関

123人の女性FM患者(51.7±7.2歳)。結果:身長、体重BMIを測定。圧痛点を評価し、30秒の椅子立ちテスト(何回椅子から立ち上がれるか)、握力、椅子座りとreach、背中をかく、blind flamingo、8フィートup and goおよび6分間歩行テストにより機能的能力を評価。結果:圧痛点の数と椅子立ちテストおよび6分間歩行テストは相関(各々r = -0.273, P = 0.004と  r = -0.183, P = 0.046)。体重やBMIで補正するとこの関係は有意ではなくなる。algometer score と背中をかく、椅子立ち、6分歩行テストには関連あり(各々r=0.238, P=0.009と  r=0.363, P<0.001とr=0.186、P=0.043)であり、体重で補正するとalgometer scoreと6分歩行テストは有意ではなくなったが、その他は体重やBMIで補正しても有意なまま。過体重と肥満の有病率は9.2%と33.3%

Pain and Functional Capacity in Female Fibromyalgia Patients.
Carbonell-Baeza A, Aparicio VA, Sjöström M, Ruiz JR, Delgado-Fernández M.
Pain Med. 2011 Sep 21. doi: 10.1111/j.1526-4637.2011.01239.x. [Epub ahead of print]
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-27 19:56 | FMの症状

メチコバールとフォリアミンの併用

先日の線維筋痛症学会で発表のあったメチコバール(500)3錠/日とフォリアミン(5)3錠/日の併用をした線維筋痛症患者の二人が再受診。2週間で3割改善と7割改善。二人とも治りが悪い人であったためこの組み合わせは有力と思います。副作用が少ないこと、自動車運転禁止ではない点も長所
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-27 19:03 | FMの薬物治療各論

Carenet  正しい線維筋痛症の知識

Carenetに掲載されています。
http://meditalking.carenet.com/expert/forum/drtoda20110927.php

 私の突っ込みに対するWolfe医師の回答が出れば診断基準が変更になります。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-27 18:49 | FMの雑感

抗不安薬による常用量依存の恐ろしさ


 抗不安薬は依存を引き起こすことが大きな問題です。依存と聞くと薬の効果が徐々に減少し、使用量が漸増するイメージがあります。しかし、抗不安薬は通常そのようなことは起こりません。ただし、使用量を減らすと吐気などの不愉快な症状が出るため減らすことが困難です。つまり、薬を減量しようとしなければ何も問題は起こりません。つまり依存が起こっていることに気が付かれにくい「静かな依存」です。ただし、時には使用量が漸増してしまう場合もあります。
 また、抗不安薬の依存は通常の臨床使用量であっても起こります。そのため常用量依存といわれます。抗不安薬を使用する必要がなくなった場合でも、常用量依存になると中止が困難です。つまり、生涯病院に通院する必要があります。高血圧に対して降圧薬を使用している場合、減量などにより血圧が下がった場合、降圧薬は不要になります。この場合、降圧薬はすぐに中止できます。
 抗不安薬を長期使用すると様々な副作用が起こります。骨折や転倒の増加、運動機能の低下、交通事故の増加、情報処理能力の低下、理解力の低下、認知機能低下、抑うつ頻度の増加や抑うつ症状の悪化、新たな骨粗しょう症の発生、女性における死亡率の増加などが起こります(根拠となる論文は「線維筋痛症がわかる本」を参照して下さい)。問題はこれらの副作用は長期間経過して起こるため、個々の患者に起こっても「個人の不注意」、「歳のせい」で片付けられてしまいます。医師も気がつきません。論文を読んではじめてその怖さが分かります。気が付かれにくい副作用であり、気が付いた時にはたとえ中止しても回復することが困難であり、気が付いた時には中止が困難という点でこれらの副作用はとても恐ろしい副作用です。
 日本の抗不安薬の使用量は世界的に突出して多いのです。
 抗不安薬の中でも作用時間が短く、薬効の強いエチゾラム(デパスなど)は依存を引き起こしやすいのです。日本ではエチゾラムが抗不安薬の中で最も頻繁に処方されます。
 抗不安薬を処方すると痛みや不安がすぐになくなるため、医師は患者さんから感謝されます。そこに落とし穴が待っています。生涯病院通いする必要が生じます。線維筋痛症の痛みや不眠には抗不安薬を使用すべきではありません。
 抗不安薬はその名の通り不安障害に処方する薬です。しかし、抗不安薬を治す根本的な治療薬は抗うつ薬です。1年以上投与すると不安障害が治癒することがあります。しかし、抗不安薬の場合には投与期間のみ薬効があり、何年投与しても不安障害を治癒させる効果はありません。抗うつ薬が効果を発揮するまでに2,3か月かかるため、抗不安薬はその間の一時しのぎで処方すべきです。抗不安薬の効果は即日現れます。
 抗不安を半年以上使用するのであれば前述の副作用を説明すべきですが、それがなされることはほとんどありません。
 抗不安薬の常用量依存の恐ろしさを知らない医師が日本には多いことは大問題です。多くの精神科医や心療内科医も抗不安薬の常用量依存の恐ろしさをあまり知らないようです。
 抗不安薬を中止する場合には漸減する必要があります。主治医と相談して減量してください。

 私は痛みの治療をしており、痛みのある人が抗不安薬を飲んでいる場合にはそれを漸減後中止する治療をしています。しかし、痛みがなく抗不安薬を飲んでいる人においてそれを中止する治療はしていません。痛みがなく抗不安薬を飲んでいる人の治療は抗不安薬に対して私と同じ意見を持っている精神科医に依頼しています。

抗不安薬による常用量依存―恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇― 第1版
http://p.booklog.jp/book/62140
を出版しました。
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-25 18:12 | 抗不安薬の常用量依存

機能性胃腸障害に対する日本の治験薬

日本の研究。多施設, open-label, 一重盲検、長期間のphase III 研究でFD患者に acotiamide, 100 mg 1日3回、48週。二つの主な評価は全体的overall treatment efficacy (OTE) と三つの主な症状(食後の腹部膨満感、早期飽食、上腹部膨満)の消失率であり、患者により毎週および毎日評価した。結果:405人の患者で効果を評価。OTEの改善率は1週間 26.1%であり経時的に増加。 8週で60.6%であり、その後それが維持。同様に症状消失率は8週まで増加。投与中断と再投与した後は、中止基準を満たした多くの患者はFD 症状が回復した。副作用発生率は11.5% であり、大部分の副作用はALT が増加した一人を除き程度は軽度であった。

A Long-Term Study of Acotiamide in Patients with Functional Dyspepsia: Results from an Open-Label Phase III Trial in Japan on Efficacy, Safety and Pattern of Administration.
Matsueda K, Hongo M, Ushijima S, Akiho H.
Digestion. 2011 Sep 21;84(4):261-268. [Epub ahead of print]
[PR]

by fibromyalgia11 | 2011-09-24 16:42 | 機能性胃腸障害
line

世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
line