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自律神経失調症?機能性胃腸症?

 自律神経失調症は症状名です。腹部が痛い人に腹痛という病名をつけることと同様です。私を受診する患者さんも自律神経失調症という診断名をしばしば付けられています。私がその人々を診察すると線維筋痛症を中心とした中枢性過敏症候群になります。
 自律神経失調症に有効な薬物はあまりありません。有効な証拠のある薬物は圧倒的に線維筋痛症の方が多いのです。自律神経失調症と診断されるより、線維筋痛症を中心とした中枢性過敏症候群と診断される方が治療成績がよくなると考えています。
 機能性胃腸症も中枢性過敏症候群の1つです。以前は慢性胃炎などといわれていました。様々な胃腸症状があるのですが検査を行っても異常がありません。その点では線維筋痛症と同様です。治療方法は胃薬系の薬物です。それでも症状が改善しなければ線維筋痛症の治療を行えばよいのです。線維筋痛症の薬で機能性胃腸症に有効な薬(科学的根拠のある薬)はあまり多くはありません。しかし、機能性胃腸症と線維筋痛症を合併している患者さんに、線維筋痛症の治療を行い、線維筋痛症の症状が軽減すると通常機能性胃症も改善します。私は経験的にそれを知っています。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-28 21:53 | 中枢性過敏症候群

当初の薬物治療は一定量投与が基本

 線維筋痛症あるいはそのグレーゾーンの患者さんが初診時に、症状の変化に応じて投薬量を変えていることがしばしばあります。これは望ましくありません。中には1回に投与する薬物の組み合わせ、およびその量を決めておき、投薬回数を変化させる場合もあります。これら方法では個々の薬物の最適量が決まりません。当初は症状の変化にかかわらず一定量の投薬をすることが原則です。これを守らないとその後の治療がうまく行きません。個々の患者さんに最適の投与量が決まった後に、症状の変化に応じて投薬量を変えていることは許容されます。ただし、他の薬の最適量を決める最中には、それは許されません。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-27 20:45 | FMの薬物治療総論

認知症患者に対する抗精神病薬の死亡率

65歳以上の認知症患者に対する抗精神病薬の死亡率。33,604人の対象、180日間の死亡率を比較。多変量解析で傾向補正。結果:共変量で補正した包括解析ではhaloperidolが最も死亡率が高く (relative risk=1.54, 95% confidence interval [CI]=1.38-1.73) 次いでrisperidone (reference), olanzapine (relative risk=0.99, 95% CI=0.89-1.10), バルプロ酸およびその誘導体(relative risk=0.91, 95% CI=0.78-1.06),およびquetiapine (relative risk=0.73, 95% CI=0.67-0.80). haloperidolの死亡率は最初の30日間が最も高く、その後急速に低下。他の薬では死亡率は最初の120日間が有意に高く、その後の60日間は減少する。

Am J Psychiatry. 2012 Jan;169(1):71-9. Epub 2011 Oct 31.
Risk of mortality among individual antipsychotics in patients with dementia.Kales HC, Kim HM, Zivin K, Valenstein M, Seyfried LS, Chiang C, Cunningham F, Schneider LS, Blow FC.
Ann Arbor VA Center for Clinical Management Research, Serious Mental Illness Treatment, Resource, and Evaluation Center, Ann Arbor, Mich., USA. kales@umich.edu
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by fibromyalgia11 | 2012-02-26 15:05 | 抗痙攣薬

リリカの末梢性神経障害性疼痛における効果と安全性

painful diabetic peripheral neuropathy (DPN)又は postherpetic neuralgia (PHN)。DPN 又はPHNに対する 11 の無作為振り分け、偽薬使用、二重盲検法のpregabalinの研究を統合。効果はDaily Pain Rating Scale scoreの変化が各々, ≥30% および≥50%の反応, そして最終的な痛み点数が≤3. 安全性は副作用に基づく。結果:2516 人の患者(白人, n = 2344 [93.2%];男性, n = 1347 [53.5%]; PHN, n = 1003 [39.9%]; pregabalin, n = 1595). 患者の年齢は: 18-64歳 (n = 1236), 65-74歳 (n = 766), そして≥75 歳(n = 514).最終的な痛みの平均における有意な改善が偽薬に対する全ての用量のpregabalinで全年齢で見られた (p ≤ 0.0009), 最も若い年齢群の最小量は例外 (150 mg/day). 臨床的に意味のある痛みの改善, 痛みの反応が≥30% および≥50%, は全年齢で見られた. 最も一般的な副作用はめまい、眠気、末梢の浮腫、無力症、口の渇き、体重増加、感染。副作用の相対危険度はpregabalinの用量とともに増加するが, 高齢に関連するとか神経障害性疼痛のタイプに関連することはない。

BMC Fam Pract. 2010 Nov 5;11:85.
Evaluation of the safety and efficacy of pregabalin in older patients with neuropathic pain: results from a pooled analysis of 11 clinical studies.
Semel D, Murphy TK, Zlateva G, Cheung R, Emir B.
Pfizer Global Pharmaceuticals, New York, NY, USA. david.semel@pfizer.com
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by fibromyalgia11 | 2012-02-26 14:49 | 抗痙攣薬

抗うつ薬の神経免疫内分泌効果

抗うつ薬には神経免疫内分泌効果あり。抑うつ患者には、免疫系の過剰活動を伴ったcorticosteroidsの増加,炎症性cytokinesの増加, 血漿や尿のmelatoninの低下, 日内リズムの異常が報告されており、抗うつ薬はそれを改善したり、少なくともその変化を阻害する。
Neuropsychiatr Dis Treat. 2012;8:65-83. Epub 2012 Feb 7.
Neuroimmune endocrine effects of antidepressants
Antonioli M, Rybka J, Carvalho LA.
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by fibromyalgia11 | 2012-02-26 10:57 | 抗うつ薬

心因性疼痛に対する国際疼痛学会の見解

 1994年に国際疼痛学会は痛みの用語集を出版しました。そこには心因性疼痛(psychogenic pain)が存在するかごとき記載があります。pain of psychological origin in the head, face, and neck (p93), pain of psychological origin in the lower limbs (p136), abdominal pain of psychological origin (p163)および low back pain of psychological origin with spinal referral (p195)がそうです。
 2008年のKyoto protocolで国際疼痛学会は神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の定義を発表していますが、心因性疼痛(psychogenic pain)の定義を発表していません(1)。2011年に国際疼痛学会はそのホームページ上でThe 2011 version of IASP Pain Terminologyを発表しています。同様に神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の定義を発表していますが、心因性疼痛(psychogenic pain)の定義を発表していません(2)。
 2008年のKyoto protocolとThe 2011 version of IASP Pain Terminologyでは国際疼痛学会は心因性疼痛(psychogenic pain)を定義していません。国際疼痛学会は心因性疼痛(psychogenic pain)単独の痛みは存在しないと考えているためその定義を記載していないと私は考えています。もし心因性疼痛(psychogenic pain)単独が存在するのであればその定義を記載すると私は思います。ただし、現時点では国際疼痛学会は「心因性疼痛(psychogenic pain)単独の痛みは存在しない。」とは宣言していません。

The 2011 version of IASP Pain Terminologyにおいて侵害受容性疼痛という用語は神経障害性疼痛に対比されて考案されたと記載されています。心因性疼痛が存在するとそのような記述は出来ないと思います。

1.Loeser JD, Treede RD. The Kyoto protocol of IASP Basic Pain Terminology. Pain. 2008;137:473-477.
2.Loeser JD (Chair, IASP Taxonomy Working Group). IASP Taxonomy. 2011.
http://www.iasp-pain.org/Content/NavigationMenu/GeneralResourceLinks/PainDefinitions/default.htm#Peripheralneuropathicpain
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by fibromyalgia11 | 2012-02-26 09:40 | その他の疼痛

国際疼痛学会は心因性疼痛を否定または肯定すべき

 国際疼痛学会は神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の定義を発表しています。しかし、心因性疼痛(psychogenic pain)の定義は発表していません。1994年の定義では心因性疼痛(psychogenic pain)が存在するかのごとき既述がありました。しかし、2008年のKyoto
protocolで国際疼痛学会は神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の定義を発表していますが、心因性疼痛(psychogenic pain)の定義は発表していません。
 「国際疼痛学会は心因性疼痛(psychogenic pain)単独が存在すると宣言するか存在しないと宣言するかどちらかにせよ。」という論文を国際疼痛学会の機関紙である「Pain」に投稿しました。すると超有名医師からメールが届きました。詳細は書けませんが、私はその内容に満足しました。ただし、その内容は「国際疼痛学会の意見としては回答できない。あくまでも個人の意見である。」というものでした。
 国際疼痛学会は心因性疼痛(psychogenic pain)単独が存在すると宣言するか、存在しないと宣言するかどちらかにすべきです。前者であれば私は強烈な批判論文を書きます。ただし、強烈な批判論文は恐らく採用にはならないでしょう。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-26 02:18 | その他の疼痛

舌痛症へのクロナゼパム(ランドセン、リボトリール)の効果

20人の特発性BMS患者にClonazepam (0.5 mg/day, n = 10) または偽薬(lactose, n = 10) を無作為に投与。結果: clonazepam群は 有意に痛みの評価を改善する(P < .001). 偽薬群はそれほど改善せず (P < .11).気分の評価(P = .56)や抑うつ点数 (P = .56)には有意差なし. 味覚検査や唾液流量は改善するが、両群で有意差なし(各々P = .83 およびP = .06).

Laryngoscope. 2011 Dec 6. doi: 10.1002/lary.22490. [Epub ahead of print]
A double-blind study on clonazepam in patients with burning mouth syndrome.
Heckmann SM, Kirchner E, Grushka M, Wichmann MG, Hummel T.
School of Dental Medicine, University of Erlangen-Nuremberg, Erlangen, Germany.
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by fibromyalgia11 | 2012-02-25 21:34 | 口腔顔面痛、舌痛症

低用量のlevo-dopa に反応する不眠はむずむず脚症候群の不全型あるいは前段階?

低用量のlevo-dopa に反応する7人の不眠患者。7人中6人はRLSの家族歴あり。これはRLSの不全型あるいは前段階かも。

Dopa responsive insomnia: A forme fruste or precursor of restless legs syndrome?
Prakash S.
J Neurol Sci. 2012 Feb 18. [Epub ahead of print]
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by fibromyalgia11 | 2012-02-25 15:43

小児むずむず脚症候群における経口鉄剤の有効性

大阪大学病院の小児睡眠クリニックを受診した30人の日本人小児、男性17 人、女性13人, 年齢2-14歳 (平均±SD, 6.5±2.8)。全夜のpolysomnography を18人で行い、血清ferritinを全員で測定。 RLSの診断後, 鉄を1.6 ―7.8mg/kg/day (3.2±1.3)の間で投与。血清ferritin を鉄治療の3-6か月後あるいはRLS症状が消失した時点で再測定。結果:
発症時年齢は6か月から13歳 (4.3±3.6歳)。家族歴陽性が19人 (63.3%)。治療前の血清ferritiは9-62ng/ml (26.6±12.8)であり、血清鉄サプリメントは17人で大変有効、10人で有効、3人で無効。経過観察時の血清ferritin は23-182ng/ml (83.5±49.8)。治療効果の発現は約3か月以内。

Evaluation of oral iron treatment in pediatric restless legs syndrome (RLS).
Mohri I, Kato-Nishimura K, Kagitani-Shimono K, Kimura-Ohba S, Ozono K, Tachibana N, Taniike M.
Sleep Med. 2012 Feb 14. [Epub ahead of print]

 生後6か月の子供のRLSの診断はどうやったのでしょうか。それが最大の疑問です。
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by fibromyalgia11 | 2012-02-25 14:47 | むずむず脚症候群
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
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