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神経障害性疼痛の薬物治療の中心は線維筋痛症の薬物治療


 神経障害性疼痛の薬物治療は例外(三叉神経痛、初期の複合性局所疼痛症候群、群発頭痛や片頭痛の発作時など)を除けば、類似しています。実は神経障害性疼痛の薬物治療の中心は線維筋痛症の薬物治療なのです。有効な根拠がある薬の数が最も多い神経障害性疼痛はほぼ間違いなく線維筋痛症なのです。有効な根拠があるとは二重盲検法を用いた研究が一つ以上あるとここでは定義します。
 つまり、線維筋痛症に有効な薬を知っていれば、その他の神経障害性疼痛の薬物治療においてもあたらずと言えども遠からずの治療が可能なのです。線維筋痛症に有効性の根拠がなく、他の神経障害性疼痛に有効とされている薬はメキシチールくらいです。メキシチールは心臓の薬です。線維筋痛症あるいはその不完全型の患者さん数人にメキシチールを使用したことがありますが、動悸の副作用が頻発し、以後は使用していません。
 私はスタメン(http://p.booklog.jp/book/74033)と個人的に命名した線維筋痛症に優先使用する薬を他の神経障害性疼痛に使用しました。ある程度有効です。他の神経障害性疼痛に有効な根拠がある薬よりも、スタメンの方が薬の数が圧倒的に多いため治療の選択肢が増えます。
 線維筋痛症を認める、認めないは意味のない議論です。ほとんどの神経障害性疼痛には線維筋痛症の薬物治療が有効なのです。ほとんどの神経障害性疼痛に対して線維筋痛症の薬物治療を用いれば治療成績が向上するのです。スタメンの中には対照群のない研究で有効性が示された薬もあります。それらの薬を線維筋痛症やその不完全型以外の痛みに使用するとある程度有効です。
 日本では高名な医師を含む多くの医師が線維筋痛症を認めていません。医師の役割は自分の信じる医学理論を患者に押し付けることではありません。現時点で実施可能な治療方法の中で、目の前にいる患者さんの治療成績が最も高くなる治療を実施することです。それがすべてです。

痛みが3か月以上持続する痛みを慢性痛と定義することが多いのです。痛みが3ヶ月未満であれば急性痛です。その診断は簡単です。
 痛みが3ヶ月も持続すれば中枢性過敏(central sensitization)が起こると私は考えています。つまり中枢性神経障害性疼痛です。
 この二つのことを総合すると慢性痛はすべて神経障害性疼痛です。正確には神経障害性疼痛単独か、神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の合併です。
 今まで神経障害性疼痛は痛みの中で少数派であると推測されてきました。アンケート形式で神経障害性疼痛を見つけ出す努力が行われてきました。しかし、侵害受容性疼痛との合併まで含めると痛みの大部分は神経障害性疼痛であろうと推測されます。
 つまり、神経障害性疼痛の治療薬は多くの痛みに有効なのです。痛みの中で害受容性疼痛単独を見つけ出せばよいのです。今までの診断とは全く逆です。
 例えば、変形性関節症の大部分は3か月以上継続します。そのため、変形性関節症による痛みの大部分は神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛の合併です。リリカ、サインバルタが変形性関節症に有効と言う論文は多数あります。アメリカでは変形性膝関節症にサインバルタを使用することが正式に認められています。サインバルタは抗うつ薬です。抗うつ薬の鎮痛効果は抗うつ効果を介した間接的な鎮痛効果ではなく、直接的な鎮痛効果です。正確に言えば神経障害性疼痛への直接的な鎮痛効果です。

 痛みの大部分は神経障害性疼痛であること、大部分の神経障害性疼痛には線維筋痛症の薬物治療が有効なことをあわせて考えると、線維筋痛症の薬物治療は多くの痛みに有効であることがわかります。不完全型線維筋痛症のみならず、多くの痛みに線維筋痛症の薬物治療は有効なのです。線維筋痛症でなければ治療方法がないという医学理論を私は理解できません。同様に、線維筋痛症でなければ治療を受けないと言う価値観も私は理解できません。

by fibromyalgia11 | 2013-09-16 11:39 | 神経障害性疼痛
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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