マイスリーはパーキンソン病の危険因子
長期間のzolpidem使用のParkinson's病発症への影響を調べる。方法:1998 年から2000年まで3か月以上初めてzolpidemを使用した2,961人を台湾の the National Health Insurance systemで同定。年齢、性別およびindex dateに基づいた zolpidem使用者にマッチさせたzolpidem使用の既往のない人を無作為に対照コホートとして選別した。パーキンソン病の診断はClinical ModificationのICD-9の規準に基づいた。2009年末までの発生率を計算し、コックス比例ハザード回帰モデルおよびKaplan-Meier解析を用いてそのハザード比(hazard ratios:HRs) と95% Cisを評価する。結果:zolpide使用者におけるパーキンソン病発生率は比較コホートよりも大きい(HR = 1.88; 95% CI, 1.45-2.45).しかし, この2つのコホートには5年間の観察ではパーキンソン病発生率に差はなかった。パーキンソン病の危険性はzolpidem使用量が増えるにつれて増加した,低用量使用者(< 400 mg/年間)ではHRは 0.70であり高用量使用者 (≥ 1,600 mg/年間)ではHRは2.94。zolpidem のみの使用者(HR = 2.35; 95% CI, 1.66-3.33)の方がBZDのみの使用者 (HR = 1.31; 95% CI, 0.91-1.90)よりもパーキンソンン病の発生率が高い。層別解析によると, 抑うつのあるzolpidem使用者 (HR = 4.79)は抑うつのないzolpidem 使用者と比較してパーキンソン病の危険性が増加する。まとめ:Zolpidem使用は前臨床的なパーキンソン病、特に抑うつを合併した患者の仮面をはぎ取るのかもしれない。
J Clin Psychiatry. 2015 Jan;76(1):e104-e110.
Risk of Parkinson's disease following zolpidem use: a retrospective, population-based cohort study.
Huang HC1, Tsai CH, Muo CH, Lin KH, Lu MK, Sung FC, Kao CH.
•1Graduate Institute of Clinical Medical Science, China Medical University, Taichung, Taiwan.