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SSRIは線維筋痛症にあまり効果はない(コクラン)


コクラン。系統的総説。無作為振り分け、二重盲検研究によるSSRIsの成人FM患者での有効性。以下のSSRIs を調べた: citalopram, fluoxetine, escitalopram, fluvoxamine, paroxetine, およびsertraline。主要な結果:各結果のエビデンスの質は低い。偏りの危険性と参加者が少ない研究のため、エビデンスの質を大変低いとみなした。7つの偽薬対照研究を含め,2つは citalopram, 3つはfluoxetineそして2つは paroxetin, 研究期間の中央値は8週 (4-16週) であり合計383人の参加者。すべての研究は一つ以上の大きな偏りの可能性がある。SSRIs (56/172 (32.6%))および偽薬 (39/171 (22.8%))の間で痛みが30%軽減すると答えた患者の差は小さく(10%) リスク差(risk difference:RD) は0.10であり, 95% (CI)は0.01から0.2まで; 追加で恩恵を受るために必要な患者の数は(number needed to treat for an additional beneficial outcome :NNTB)は10, 95% CI は5 から100まで; そして全般的な改善 (much またはvery much改善したと答えた患者の割合: SSRIs では50/168 (29.8%) であり偽薬では26/162 (16.0%)) RDは 0.14, 95% CIは 0.06―0.23; NNTBは7, 95% は 4―17。SSRIsは統計的には又は臨床的には有意には疲労を減らさず: standard mean difference (SMD) -0.26, 95% CIは -0.55―0.03; 0-10の尺度の絶対値の改善で7.0%, 95% CIは相対的改善14.6%―相対的悪化0.8%; 睡眠の問題はない: SMD 0.03, 95 % CIは -0.26―0.31; 0-100の尺度で0.8 %絶対的な悪化, 95% CIは8.3%相対的悪化―6.9%相対的改善。抑うつの改善ではSSRIsは偽薬よりも優れていた: SMD -0.39, 95% CIは -0.65 から-0.14まで; 0-10の尺度で7.6%絶対的改善, 95% CIは 2.7%―13.8%相対的改善; NNTBは13, 95% CIは 7-37。副作用による脱落率はSSRI 使用者は偽薬使用者よりも高くない(SSRIs 使用者は23/146 (15.8%)であり偽薬使用者は14/138 (10.1%)) RD は0.04, 95% CIは -0.06 to 0.14。SSRI使用と偽薬使用の間には深刻な副作用が起こることには統計的又は臨床的な有意な差はなかった (SSRIs 使用者では3/84 (3.6%)であり偽薬使用者では4/84 (4.8%)) RDは -0.01, 95% CIは -0.07 to 0.05。著者の結論:FMの主要な症状、つまり痛み、疲労、および睡眠障害を治療する上でSSRIsは偽薬よりも優れているという偏りのないエビデンスはない。SSRIsはFM患者の抑うつを治療するとみなされるかもしれない。適切な場合には、18歳から24歳までの大うつ病障害がありSSRIsを内服している若い成人で自殺傾向が高まるという黒色の枠で囲まれた警告文を考慮すべき。
Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jun 5;6:CD011735. [Epub ahead of print]
Selective serotonin reuptake inhibitors for fibromyalgia syndrome.
Walitt B1, Urrútia G, Nishishinya MB, Cantrell SE, Häuser W.
•1National Center for Complementary and Integrative Health, National Institutes of Health, 10 Center Drive, Bethesda, MD, USA, 20892.

by fibromyalgia11 | 2015-06-09 21:36 | FMの薬物治療各論
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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