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最適な有酸素運動の強度、頻度、時間

 有酸素運動のメタ解析によると有酸素運動は軽度から漸増し、軽度から中等度の強度(年齢に応じた最大心拍数の50%以上、他人と普通に会話できる程度)の運動を1回20-30分、週2,3回することが望ましい。運動の種類は患者が希望するものが望ましい。適切な運動量であれば、たとえ一時的に痛みや疲労が悪化しても1週間以内にそれらは軽減する。効果が出るためには最低1週間は必要。有酸素運動は睡眠障害を改善しないので、それを改善するためには薬物が必要

Hauser W, Klose P, Langhorst J, Moradi B, Steinbach M, Schiltenwolf M, et al. Efficacy of different types of aerobic exercise in fibromyalgia syndrome: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Arthritis Res Ther. 2010;12:R79.

by fibromyalgia11 | 2011-12-06 19:57 | FMの非薬物治療

線維筋痛症には鑑別診断は存在しない。

 1990年に定められた線維筋痛症FMの分類基準(診断基準)に従う限りその基準を満たせば、他にいかなる疾患が存在しても自動的にFMと診断できます。つまり、鑑別疾患は存在しません。ただし2010年の診断基準では他の疾患で症状が説明できる場合にはFMとは診断されません。
 問題はFMと診断した場合、患者さんの訴える痛みの原因はFMのみとは限らないことです。実は、これが非常に難しいのです。FMの痛みは広範です。FM以外の原因の痛みを見つけることは容易ではありません。
 FMのグレーゾーンである慢性広範痛症や慢性局所痛症の場合には、通常他の疾患で症状が説明できる場合には慢性広範痛症や慢性局所痛症とは診断されません。そのため、慢性広範痛症や慢性局所痛症の場合には鑑別診断が存在します。

by fibromyalgia11 | 2011-12-05 21:39 | FMの診断

抗不安薬の常用量依存と中枢性過敏症候群の関連


 ベンゾジアゼピン系抗不安薬を長期使用すると様々な副作用が起こります。骨折や転倒の増加、運動機能の低下、交通事故の増加、情報処理能力の低下、理解力の低下、認知機能低下、抑うつ頻度の増加や抑うつ症状の悪化、新たな骨粗しょう症の発生、女性における死亡率の増加などが起こります。これらの副作用の多くは脳の機能障害(もしかすると器質的な障害)が原因であろうと私は考えています。
 また、ベンゾジアゼピン離脱症候群(退薬症状、離脱症状)と呼ばれる症状があります。ベンゾジアゼピン系抗不安薬を減量する際に起こる様々な不愉快な症状です。この原因も脳の機能障害(もしかすると器質的な障害)が原因であろうと私は考えています。
 そのため、これらは中枢性過敏症候群に類似した状態といえます。しかし、現時点ではこれらは中枢性過敏症候群には含まれていません。中枢性過敏症候群の概念が将来拡大されればこれらが中枢性過敏症候群に含まれるかもしれませんが、現時点では中枢性過敏症候群に含まれていません。

by fibromyalgia11 | 2011-12-05 19:00 | 抗不安薬の常用量依存

トリガーポイントブロックの有効性(無効性)

 線維筋痛症に対するトリガーポイント注射の有効性はないあるいは弱いといわざるを得ません。

トリガーポイント注射には有効性に証拠がない。
Goldenberg DL, Burckhardt C, Crofford L. Management of fibromyalgia syndrome. JAMA. 2004;292:2388-2395.

トリガーポイント注射には有効性に弱い証拠がある。
Burckhardt CS, Goldenberg DL, Crofford LJ, Gerwin R, Gowans S, Jackson KC, et al. Guideline for the management of fibromyalgia syndrome pain in adults and children. Glenview: American Pain Society; 2005.(アメリカ疼痛学会のガイドライン)

11日程度の期間の弱い有効性は報告されています。
Affaitati G, Costantini R, Fabrizio A, Lapenna D, Tafuri E, Giamberardino MA. Effects of treatment of peripheral pain generators in fibromyalgia patients. Eur J Pain. 2010.

 線維筋痛症に対するトリガーポイントブロックの長期成績は報告されていません。
 筋筋膜性疼痛に対するトリガーポイントブロックの有効性にも問題があります。dry injection(薬を入れず針を刺したのみ)との有効性に差があるかどうかはよくわかっていません。

by fibromyalgia11 | 2011-12-05 18:48 | FMの非薬物治療

身体表現性障害がなくなる

 私は今まで頻回に「身体表現性障害」という疾患は存在しないと言い続けてきました。それが実現しそうです。現在のDSM-Ⅳ-TRが改定作業中です。そしてDSM-Vが新たに決められようとしています。そのDSM-Vから身体表現性障害がなくなるようです。
 DSM-Vに関する論文(鈴木国文:DSM-5ドラフトにおける身体表現性障害と虚偽性障害 25(8) 1059-1063,2010)には以下のように記載されています。
これまでの「身体表現性障害」の中心的な条件項目であった「身体医学的に説明できない身体症状」という判断について、その判断には信頼性がないと結論づけたことを挙げている。
 「身体表現性障害」は恐らくなくなります。ただし、「複合身体症状障害」という病名が新たに作られます。現行の「身体表現性障害」に含まれていた障害の内、「身体化障害」「心気症」「鑑別不能型身体表現性障害」「疼痛性障害」の4つを「複合身体症状障害」という病名にまとめることになります。
 「複合身体症状障害」は「身体症状障害」に含まれることになります。「身体症状障害」には「複合身体症状障害」「転換性障害」「虚偽性障害」「一般身体疾患に影響を与えている心理的要因」が含まれます。
 問題は「複合身体症状障害」が第二の「身体表現性障害」になるかもしれないという危惧です。
 精神科領域の診断はDSM-5になると劇的に変化します。「身体表現性障害」がなくなることは大変うれしいことです。しかし、これほど劇的に診断が変化してよいのかという驚きあるいは疑問は残ります。

by fibromyalgia11 | 2011-12-04 16:50 | その他の疼痛

未成年者へのタバコの販売には厳罰を与える法律制定を

 喫煙者を減らすことは簡単です。未成年者にタバコを売らなければよいのです。日本の問題点は未成年者には喫煙を認めていないにもかかわらず、未成年へのタバコの販売を黙認している点です。JT、セブンイレブンなどのコンビニ(セブンイレブンは未成年者へのタバコの販売を黙認しています。他のコンビにではどうでしょうか)、国の責任は重大です。特に、国の責任は重大です。
 私がアメリカにいた際、私が知る限りアルコールは未成年(私の住んでいたメリーランド州では20歳未満なのか18歳未満なのかは不明ですが)には販売されません。フーターズでビールを注文した際年齢確認を受けました。私が40歳を過ぎていた時でした。「こんなおっさんには年齢確認は不要だろう。」と抵抗しましたが、「年齢確認をしないとビールは出せない。」と言われました。いくら黄色人種が若く見えても、行き過ぎの様に思いました。アメリカ人は法律を守る精神に富んでいるのではありません。万が一未成年者にアルコールを売ったら厳罰が待っているのです。アメリカは人間のモラルを一切信用しないようです。アメリカでは未成年者にアルコールを売って利益を得るより、万が一未成年者にアルコールを売った場合の厳罰(罰金や営業停止)の不利益の方がはるかに高いのです。
 日本ではモラルに頼る面があります。日本では未成年者にタバコやアルコールを売った場合の罰が甘すぎます。日本もアメリカと同様に未成年者にアルコールやタバコを売ろうとは思わないほどの罰を与える法律を作るべきです。問題は国会議員に喫煙者が少なくないことです。

by fibromyalgia11 | 2011-12-03 21:26 | その他

抗不安薬の中止の方法

 抗不安薬の方法にはいくつかあります。私は以下のようにしています。この方法は医師により異なります。
 パニック発作の有無に関わらず不安障害に対して処方されている場合にはSSRIかSNRIを必ず処方しています。しかし、痛みや睡眠目的の場合には通常それらを処方しません。
 抗不安薬に無頓着な医師はしばしば複数の抗不安薬を処方します。そのため、複数の抗不安薬が処方されている場合が少なくありません。その場合には中止が比較的容易な作用時間の長い抗不安薬から中止する場合と、中止が比較的困難な作用時間の短い抗不安薬から中止する場合があります。投薬期間が長いほど、抗不安効果が強いほど、作用時間が短いほど、中止が困難です。現時点ではどの要素を重視して優先的に中止するのかは決めていません。総合的判断といえば聞こえはよいのですが、その場その場で判断することになります。ただし、デパスは最優先で中止しています。
 1日2,3回飲んでいる場合には最も中止しやすい内服を中止しています。患者さんと話し合い、たとえば昼食後の内服は中止できそうと予測できた場合には昼食後の内服を一度に中止しています。それができそうにない場合には以下の方法で漸減しています。
 まずは単純に1-2か月かけて投与量を漸増しています。1週間ごとに1日のみ中止、2日中止、3日中止、4日中止、5日中止、6日中止、7日中止としています。つまり、7週で中止です。患者さんによってはこれより少し速く中止しています。これにより例えば朝食後の抗不安薬を中止した後、同様の方法で夕食後の抗不安薬を中止しています。内服のいつの時期を優先的に中止するかは患者さんと話し合って決めます。これのみで完全中止できることもあります。しかし、途中で挫折ずる場合もあります。挫折しても構いません。ただし、挫折したところから一気に元に戻さず、抗不安薬をそのままの量で飲んでもらいます。
 同様の方法で夕食後2錠を夕食後1錠に減らすこともあります。
 この方法でしくじる場合がありますが、この方法によりまずは極力内服量を減らしています。この場合には次の方法を用います。作用時間の長いメイラックスに置き換えています。症状が強ければメイラックス1錠、症状が弱ければメイラックス1/2錠に置き換えています。場合によっては作用時間が中程度の抗不安薬を経由してメイラックスに変更することもあります。
 メイラックスに変更できれば、同様の方法で漸減します。単純な減量をせず、当初からメイラックスに置き換える場合もあります。
 途中で挫折する人はよいのですが、受診しなくなる人が少なくありません。抗不安薬の減量は大変です。

2012年12月に電子書籍を出版しました。 
抗不安薬による常用量依存―恐ろしすぎる副作用と医師の無関心、精神安定剤の罠、日本医学の闇― 第1版
http://p.booklog.jp/book/62140

各章のまとめは無料で読むことができます。

by fibromyalgia11 | 2011-12-03 18:04 | 抗不安薬の常用量依存

線維筋痛症患者にはモンスターペイシェントが多い

 患者さんの中には非常識な言動をする人がいます。モンスターペイシェント(怪物患者)といいます。具体例はここでは述べません。大変残念なことですが、線維筋痛症患者の中にはモンスターペイシェントの割合が多いのです。私は複合性局所疼痛症候群CRPSの患者もたくさん診察しています。具体的なデータはありませんが、モンスターペイシェントの割合はCRPSよりも線維筋痛症の方が大きいと感じています。モンスターペイシェントにはそれなりの対応をしています。できないことはできないと拒否しています。迷惑行為に対しては「迷惑なのでやめてください。」と明言しています。
 精神疾患の中には様々なトラブルを引き起こしやすい精神疾患があります。線維筋痛症は精神疾患を合併しやすいのです。そのため、トラブルを起こす疾患は線維筋痛症なのか、性疾患なのか厳密には区別できません。線維筋痛症は、今まさに認知されつつある疾患です。そのため、トラブルがあった場合には、線維筋痛症が目立ちやすいのです。特に、精神科以外で線維筋痛症を治療している場合には、「線維筋痛症患者がトラブルを起こした。」と見なされてしまいます。「トラブルを起こした原因は精神疾患であって、線維筋痛症ではない。」という言い訳は通用しません。病院職員に迷惑をかけた場合、私が職員にそのような言い訳をすることはできません。迷惑をかけられた職員に謝るしかありません。万が一、職員が退職するような事態になれば、線維筋痛症の診療を中止するか辞職せざるをえない可能性があります。線維筋痛症患者に不利な発言をする私をインターネット上で「モンスター」と判断する線維筋痛症患者がいるようです。
 線維筋痛症の治療を行う医療機関が増えにくい原因の一つはンスターペイシェントであろうと推測しています。
 線維筋痛症の診療を行う場合にはある程度のトラブルを覚悟する必要があります。トラブルを起こした患者がいた場合、迷惑行為を叱責することはあっても、線維筋痛症の治療そのものを中止されないことを願っています。

by fibromyalgia11 | 2011-12-03 16:20 | FMの雑感

新しい診断基準は現時点では使用を勧められない

 新しい基準(2010年の基準)では医師の主観により診断されるため、FMの診断は医師により異なる。妥当性の研究が報告されるまではそれを使用することは勧められない。

Boomershine CS. A Comprehensive Evaluation of Standardized Assessment Tools in the Diagnosis of Fibromyalgia and in the Assessment of Fibromyalgia Severity. Pain Res Treat. 2012;2012:653714.

2011年の基準も同様と私は考えています。現時点では2010年や2011年の基準の妥当性の研究は出ていません。
 2012年の論文が出ました。

by fibromyalgia11 | 2011-12-03 12:33 | FMの診断

機能性胃腸障害はピロリ菌の除菌で症状が軽快する

Helicobacter pylori –陽性のthe Rome III 基準を満たす機能胃腸障害functional dyspepsia 患者を無作為にomeprazole, amoxicillin trihydrate, and clarithromycin,または omeprazole plus placeboを10日間投与。 内視鏡とH pylori テストをスクリーニングと12か月の時点で行った。疾患に特異的なアンケート(一次的な結果), 患者の症状に対する全般的評価、生活の質を用いて12か月の時点で症状が少なくとも50%改善しているかどうか。結果:404人の患者 (78.7%は女性;平均年齢, 46.1歳); 201人は抗生物質治療(抗生物質群) 、203人は対照群. 389 人(96.3%) が研究終了. 一次的な結果を達成した患者の割合は抗生物質群で49.0% (94 of 192)、対照群で 36.5% (72 of 197) (P=.01;NNT, 8). 患者による症状の評価は,抗生物質群では 78.1% (157 of 201) が症状がよくなったと答え, 対照群では67.5% (137 of 203) がよくなったと答えた (P=.02). 抗生物質群は対照群より平均(SD) Medical Outcomes Study 36-Item Short Form Health Survey physical component summary scoresが有意に増加 (4.15 [8.5] vs 2.2 [8.1]; P = .02).

Arch Intern Med. 2011 Nov 28;171(21):1929-36.
Helicobacter pylori Eradication in Functional Dyspepsia: HEROES Trial.1請求
Mazzoleni LE, Sander GB, Francesconi CF, Mazzoleni F, Uchoa DM, De Bona LR, Milbradt TC, Von Reisswitz PS, Berwanger O, Bressel M, Edelweiss MI, Marini SS, Molina CG, Folador L, Lunkes RP, Heck R, Birkhan OA, Spindler BM, Katz N, Colombo Bda S, Guerrieri PP, Renck LB, Grando E, Hocevar de Moura B, Dahmer FD, Rauber J, Prolla JC.

by fibromyalgia11 | 2011-12-02 17:43 | 機能性胃腸障害
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


by fibromyalgia11
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