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カルテには診断の証拠を残しましょう

 線維筋痛症の診断をした場合にはその根拠をカルテに残しましょう。痛みの範囲と、各痛みがいつから痛いかを記録しましょう。また、どこに圧痛点があったかもカルテに記録しましょう。指を伸展位にして触診をしたこともカルテに記録しましょう。それらがないと第三者による判定を受けた際、線維筋痛症と判定されない可能性があります。それらの記録なしで「線維筋痛症」という診断をつけると第三者の判定を受けた際に信用を失います。
 線維筋痛症のグレーゾーン患者は線維筋痛症患者の10倍以上います。線維筋痛症のグレーゾーン患者を線維筋痛症と診断することはやめてください。線維筋痛症に混乱が起こります。論文や、学会発表の際それは絶対にしないで下さい。自分の業績はあがるかもしれませんが、線維筋痛症に混乱が起こり周囲の者が迷惑します。
 ただし線維筋痛症のグレーゾーンに対する治療は線維筋痛症と同じ治療です。つまり、臨床の場では線維筋痛症とそのグレーゾーンを区別する意義はほとんどありません。

# by fibromyalgia11 | 2011-06-16 19:54 | FMの診断

圧痛点の診察方法

 圧痛点の診察時には通常母指(親指)を用いますが示指(人差し指)、中指でも構いません。ただし、母指のIP関節や示指や中指のPIP関節(共に最も端の関節)を伸展位にする必要があります。そして指の長軸に垂直に約4 kgの力を加えます。約4 kg/cm2ではなく、約4 kgです。そして、患者さんが「痛い」と行った場合が圧痛陽性です。もちろん圧痛点の診察を行う前に「痛い場合には痛いと言って下さい。」と説明する必要があります。触診の時間は約4秒、つまり1秒ごとに1kgずつ力を増やします。
指立て伏せのできない一般人は最も端の関節を伸展位にして、指の長軸に垂直に力を加えた場合、10kgの力を出す事は非常に困難です。それを考慮すれば約4kgはそれほど困難ではありません。約4kgは厳密に4kgである必要はありません。約4kgなのです。健常人であれば指の最も端の関節を伸展位にして、指の長軸に垂直に力を加えればたとえ全力で押さえても圧痛がある部位が11を超える事はありません。特に、首周囲の圧痛点では痛いのではなく気持ちがよくなります。
 大人が「痛い」というのは、「これ以上強い力で押さえないで下さい。これ以上の力で押さえるとあなたの手をはたくか、私が逃げます。」という警告です。

# by fibromyalgia11 | 2011-06-16 19:41 | FMの診断

未受診の患者より受診した患者の方が症状が強い

じょうご理論。一般人口の96人、リウマチ科の86人, pain medicineの80人,心身医学の69人と統合医学の58人。医療機関を受診している患者は一般人口の患者より疼痛の範囲が広く、身体症状が多く、抑うつ症状が強い。異なる臨床科を受診している患者間では疼痛の範囲、抑うつ症状、身体症状の程度には差がなかった。
A comparison of the clinical features of fibromyalgia syndrome in different settings.
Häuser W, Biewer W, Gesmann M, Kühn-Becker H, Petzke F, Wilmoswky HV, Langhorst J, Glaesmer H.
Eur J Pain. 2011 Jun 6. [Epub ahead of print]

# by fibromyalgia11 | 2011-06-16 19:31 | FMの症状

有酸素運動は重要

 有酸素運動は重要です。安価、安全、誰でもできる治療方法です。散歩、自転車、水泳などです。しかし、痛みが強い人は歩くこことすら出来ません。その場合には深呼吸やガムを噛む動作でもやむを得ません。ただしガムを噛む際にはアスパルテームという甘味料の入っていないガムにして下さい。アスパルテームの問題は後で述べます。
 有酸素運動は有効ですがやりすぎは禁物です。痛みや疲労が強くなった場合にはやりすぎです。

# by fibromyalgia11 | 2011-06-16 19:15 | FMの非薬物治療

治療方針

 線維筋痛症の治療は非薬物治療と薬物治療の併用が望ましいとされています。その中で薬物治療をどのような順番で行うのがよいでしょうか。
 世界標準の医学では有効性の証拠が強い順番に使いましょうという方法が一般的です。線維筋痛症をグループに細分化する試みが行われていますが、報告者によりグループわけが全く異なります。
 日本のガイドラインではクラスター分類を行い、各グループごとに優先する薬を変えましょうという理論が提唱されています。初回のガイドラインに作成には私はかかわっていません。2回目のガイドラインには私はかかわっており、間もなくそれが出版されます。クラスター分類に関する意見は2回目のガイドラインが出版されてから公開します。一時、公開しましたが2回目のガイドラインが出版されてから公開することにします。

# by fibromyalgia11 | 2011-06-16 00:22 | FMの治療総論

ステロイドは有害

 ステロイドは線維筋痛症には無効です。線維筋痛症がfibrositisと呼ばれていた時代にステロイドが有効かどうかを二重盲検法(偽薬との比較)で調べたところ、統計学的有意差はないものの偽薬の方が治療成績がよかったのです。ステロイドは線維筋痛症に無効なばかりか、副作用を引き起こすためです。つまり、線維筋痛症には、ステロイドは無効なばかりか有害なのです。ただし、ステロイドが有効な疾患(強直性脊椎炎などの炎症性疾患)を合併している場合にはステロイドは有効です。ただし、この場合にはステロイドは強直性脊椎炎などの炎症性疾患に有効なのであって、線維筋痛症に有効なのではありません。アメリカ疼痛学会は関節などに炎症がない場合には、ステロイドを使用してはならないと勧告しています。
 残念ながら、日本では炎症のない線維筋痛症にもしばしばステロイドが使用されます。膠原病や整形外科をバックグランドにして線維筋痛症の治療を行っている医師は、膠原病や整形外科における治療の癖を線維筋痛症に持ち込みがちです。日本で線維筋痛症を専門にしている医師の中では膠原病や整形外科をバックグランドにしている医師が多いのです。腱付着部炎型の線維筋痛症にステロイドなどを勧める医学理論がありますが、それは適切ではありません。前述したようにステロイドが有効なのは線維筋痛症ではなく、腱付着部炎を引き起こす炎症性疾患なのです。

# by fibromyalgia11 | 2011-06-14 12:20 | FMの薬物治療各論

線維筋痛症の治療はかゆみの治療にも有効

 かゆみは慢性痛と類似した症状です。実は、かゆみの研究は慢性痛の研究を後追いして行われた経緯があります。かゆみを伝える神経と痛みを伝える神経の一部は共通ですが、一部は異なっています。痛みの場合と同様に、かゆみ刺激が持続すると、かゆみを感じる脳の部分に異常が起こると推測されています。中枢性過敏症候群と同様に脳の機能異常によって引き起こされるかゆみがあると推測されています。かゆみの原因の一部は脳の機能異常によっておこると推測されています。
 かゆみの治療は外用薬(塗り薬)と抗ヒスタミン薬で主に行われています。しかし、それらのみでは効果が不十分なことがあります。実は、線維筋痛症の治療はかゆみにも有効なのです。ノイロトロピン、プレガバリン(リリカ)、ガバペンチン(ガバペン)はさまざまなかゆみに有効であることが報告されています。実際に様々なかゆみに、線維筋痛症に有効な他の薬を使用すると、かゆみは軽くなります。もちろん線維筋痛症に有効な薬で、かゆみはすべて軽くなるわけではありません。アトピーに線維筋痛症に有効な薬を使ったことはありませんが、有効かもしれません。
 かゆみには外用薬(塗り薬)と抗ヒスタミン薬が通常使用されます。それらの薬の効果が不十分な場合には線維筋痛症に有効な薬を試す価値があります。

# by fibromyalgia11 | 2011-06-14 12:19 | FMの治療総論

線維筋痛症におけるメジコンの有効性

 メジコンは咳止めとして使用されていますが、線維筋痛症に対する鎮痛薬でもあります。NMDA受容体の阻害薬です。つまりケタミンの類似薬です。ケタミンは麻酔薬でもありますが鎮痛薬でもあります。しかし、麻薬指定されたため使用が困難です。副作用が少ないため、優先して使用しています。

# by fibromyalgia11 | 2011-02-27 14:47 | FMの薬物治療各論

当初から複数の薬物を処方してはいけない

 医学の世界では薬物治療を行う際には当初から複数の薬物を使用せず、一つの薬物のみを処方し必要があれば追加を行うことが原則です。これは痛みの業界のみならずほとんどすべての診療科で該当します。抗がん剤など、当初から複数の薬物を使用する場合はありますが、それは例外です。
 国際疼痛学会は神経障害性疼痛に対する治療のガイドラインで「一つのみの薬物を当初は使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば追加をする。」と述べています。線維筋痛症は神経障害性疼痛に含まれます。そのガイドラインは実は三叉神経痛や線維筋痛症を除外した神経障害性疼痛のガイドラインです。そのガイドラインには各薬物の有効性にランクをつけています。そのガイドラインに記載されている各薬物の有効性のランクは三叉神経痛や線維筋痛症においては有効ではありません。しかし、「一つのみの薬物を当初は使用し、不十分な鎮痛効果が得られれば追加をする。」は三叉神経痛や線維筋痛症にも当てはまると考えています。
 当初から複数の薬物を投与すると多くの問題が起こります。最大の問題点はどの薬物が有効で、どの薬物が無効かわからなくなることです。有効な薬物は増量すべきなのですがそれが非常に困難になります。無効な薬物を漫然と半年以上投与することにつながりやすくなります。薬物を併用すると鎮痛効果が強くなることがありますが、鎮痛効果が弱くなることもあります。当初から複数の薬物を投与したのではそれが不明瞭になります。副作用が生じた場合には、原因となる薬物を特定することが非常に困難です。

# by fibromyalgia11 | 2011-02-26 21:11 | FMの薬物治療総論

タバコは厳禁

 線維筋痛症にとってタバコは大敵です。線維筋痛症患者の中で喫煙者は非喫煙者より症状が強いという報告や、喫煙者は線維筋痛症になりやすいという報告があります。私の治療経験では喫煙を継続した患者さんでは症状がほとんど改善しませんでした。記念をした患者さんの中で症状がよくなった人と、よくならなかった人がいます。禁煙をすると全員の症状がよくなるとはいえませんが、喫煙を継続すると治療のスタートラインに立つことができません。
 受動喫煙がないように気をつけるべきです。タバコの煙を直接吸う直接受動喫煙と、喫煙者の髪、服、息に含まれる有毒物質を吸う間接受動喫煙があります。配偶者は閉鎖空間に長時間いることが多いので、屋外喫煙では不十分です。間接受動喫煙防止のため、配偶者には完全禁煙が求められます。その他の家族は屋外喫煙が求められます。換気扇の前での喫煙では不十分です。
 喫煙者の場合、喫煙者との人間関係を考え直す必要があります。友人、知人が自宅を訪問した場合、自宅内で喫煙することが習慣になっています。会食の際にも喫煙をすることが習慣になっています。喫煙者の友人、知人が自宅内で喫煙することを禁止する必要があります。自宅内で喫煙されるとカーテンや衣服にタバコの煙がついてしま、間接受動喫煙が起こってしまいます。喫煙者は間接受動喫煙の概念を知りません。食事の際、嫌煙者は受動喫煙がおきにくい場所を知っていますが、喫煙者はその場所を知りません。

# by fibromyalgia11 | 2011-02-26 20:47 | FMの非薬物治療
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世界標準の線維筋痛症を専門家が説明します


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